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2021.01.19

予防がすべてといわれる認知症とは?代表的な3つの種類や初期症状を解説

今現在、ご高齢者と一緒に暮らしていて「これって認知症なのでは?」と不安に思う方は多いのではないでしょうか。

日本の高齢化社会とともに認知症患者数も年々増加しており、2025年にはご高齢者の5人に1人が認知症患者になるというデータもでているほど、深刻な問題になってきている認知症。

その認知症を発症させないためには、早めの予防を行うことが大切なのです。

この記事では、認知症の初期症状と具体的な予防策についてご紹介いたします。

認知症とは|脳神経が壊れることで起こる様々な症状

認知症とは、脳の神経細胞が壊れることで引き起こる様々な症状、または状態のことです。
よく勘違いされますが認知症は病気ではありません。
物事を忘れてしまう、理解力の低下が見られるなどのあらゆる症状や状態を指します。

認知症の原因は悪質なタンパク質が脳に蓄積して起こる、脳の萎縮や破壊のためだといわれています。
しかし、はっきりとした原因や解決方法は未だ解明されていません。

厚生労働省のデータよると、2012年の認知症患者は約462万人といわれており、ご高齢者の約7人に1人が認知症という計算になります。
今後はさらに増え続け、2025年の認知症患者数は700万人前後になるとされているのです。

老化による物忘れとの違い

多くの方が認知症と物忘れを勘違いされます。しかしこの2つはまったく違う症状なのです。
認知症の症状は物事をまるごと忘れてしまうのに対して、物忘れは物事の一部分だけを忘れる特徴があります。

■認知症と物忘れの例え

  • 昨日の夕飯の「おかず」を忘れてしまった→物忘れ
  • 昨日に「夕飯を食べた事自体」覚えていない→認知症

 

  • 明日の「何時」に約束したのか忘れてしまう→物忘れ
  • 明日の「約束したこと自体」を覚えていない→認知症

上記のようにまったく違った症状があらわれます。
認知症かどうか詳しく知りたい方は、お近くの自治体で診断するのがおすすめです。

認知症の重症度を測定する「要介護認定」についてはこちらを参考ください。
→『介護保険に必要な要介護認定とは?』

認知症の初期症状|物忘れ・理解力の低下・精神混乱


認知症の初期症状は物忘れだけではなく、理解力・作業能力の低下なども見られます。

■物忘れ

  • 同じことを何度も繰り返す
  • 物事そのものを忘れる
  • 約束を忘れる
  • 鍵の閉め忘れが多くなる

■理解力の低下

  • お金の計算ができなくなる
  • 外出したら迷子になる
  • コミュニケーションが上手くできない

■作業能力の低下

  • 片付けができなくなる
  • 作業を途中で投げ出す
  • 今までやっていたことを突然やめる

■精神混乱や感情変化

  • 急に怒り出す
  • 拒否感が強くなる

認知症の代表的な3つの種類


認知症はいくつかの種類に分類できます。ここでは代表的な3つの種類を説明します。

  1. アルツハイマー型認知症
  2. レビー小体型認知症
  3. 脳血管性認知症

アルツハイマー型認知症

認知症で最も多いのがこのアルツハイマー型認知症です。

症状はその名の通りで同じことを繰り返す、約束を忘れてしまうなどの物忘れがみられます。
症状の出始めは認識違いや物忘れだけですが、症状が進行すると徘徊や暴言など、行動にも現れるのです。
またアルツハイマー型認知症は男性に比べて女性の割合が高い傾向にあります。

アルツハイマー型認知症を詳しく知りたい方はこちらを参考ください。
→『アルツハイマー型認知症の具体的な症状』

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症はアルツハイマーの次に患者数が多いです。

レビー小体型認知症という名前は、大脳の神経細胞内に「レビー小体」という悪質なタンパク質が溜まって起こるため、そう呼ばれています。
初期症状は気分の落ちこむ傾向が見られ、進行すると幻覚が見えたり、身体の動作が遅くなったりするのが特徴です。
レビー小体型認知症は男性に多く見られます。

脳血管性認知症

脳血管性認知症は脳の血管障害によって引き起こります。

他の認知症とは違い、病気や事故によって発症するのが特徴です。
初期症状はアルツハイマー型認知症と同じく物忘れから始まります。

症状が進行すると手足のしびれが起こり、最悪の場合は麻痺によって動かなくなるのです。
この脳血管性認知症は男性によく見られます。

認知症にならないための予防策!

認知症にならないためには、適切な予防策を早めに取ることが良いとされています。
もしすでに認知症になっていたとしても、早期発見を心がけて進行しないよう予防を行いましょう。

  1. コミュニケーションを取る
  2. 適切な運動をする
  3. 栄養のある食事を摂る

コミュニケーションを取る

認知症を予防するにはコミュニケーションを十分に取る必要があります。

人と会話することで脳に刺激を与えられるためです。
人はコミュニケーションを取るとき、相手の言葉を理解する、相手を思いやるなど、様々な思考を巡らせます。
その思考を巡らせる行為は、脳の神経細胞にたくさんの刺激を与えられるのです。
認知症は脳の神経細胞の衰えや萎縮から引き起こるため、脳を刺激するコミュニケーションは予防策になるといえるでしょう。

適度な運動をする

適度な運動をすることで認知症予防になります。

身体を動かすための信号は脳を活性化させるからです。
人間は運動をするとき、脳から信号を出して身体を動かしています。また身体を動かすと同時に「今現在動いている」という信号を送っています。
運動は身体と脳で信号の送り合いを行うので、脳の活性化に期待できるのです。
そのため、脳の活性化につながる適度な運動は認知症予防になるといえるでしょう。

栄養のある食事を摂る

栄養のある食事を摂ることは認知症予防につながります。

なぜ栄養のある食事は認知症予防になるのでしょうか?それは、栄養は脳のエネルギー源だからです。
人間は考えたり、計算したりするときに脳を使います。
しかし脳で思考するためには、ブドウ糖やタンパク質、ミネラルなどの栄養素を必要とするのです。
日頃から十分な栄養を摂取することで脳の思考力を上げ、活性化させられます。
逆に栄養不足になると脳が衰えてしまい、認知症につながってしまうのです。
認知症を予防するためにも、栄養のある食事を摂りましょう。

認知症患者の介護方法|頑張りすぎない

認知症患者に対して、対応が難しいと感じる方は多いのではないでしょうか。
それもそのはず、伝えたいことは上手く伝わらない、頑張っても報われないなど、納得できないことが多いはずです。
さらにご家族の介護となれば、認知症になる以前の状態との違いにとまどいを感じるでしょう。

認知症介護において最も重要なのが、肩の力を抜いて頑張りすぎないことです。
介護はどんなに頑張っても報われないときが必ずあります。それはとてもつらく、非常に大変だと感じるはずです。
そんな状況が続くと疲弊してしまい、介護を続けるのが難しくなります。
そうならないためにも肩の力を抜いて、頑張りすぎない介護をしてみてはいかがでしょうか?

ご家族を大切にする気持ちは素晴らしいですが、まずは自分を大切してください。
肩の力を抜いて気楽になればもっと余裕が生まれ、今までとは違った介護ができるはずです。
結果的に、ご家族にとっての良い介護となるでしょう。

また、認知症患者の適切な対応方法として「ユマニチュード」という方法があります。
ユマニチュードを用いることで、お互いに気持ちの良いケアができるでしょう。

詳しく知りたい方はこちらを参考ください。
→『介護の本質といわれるユマニチュードとは?』

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もし、ご家族の介護がつらいと感じる場合、介護保険制度が適用される介護サービスを利用してみてください。
例えば、特別養護老人ホーム有料老人ホームショートステイ訪問介護などがあります。
その人に合った適切な介護サービスが見つかるはずです。

まとめ|認知症の予防は早めに取り組もう


今回は、認知症の種類や初期症状、具体的な予防策についてご紹介しました。

認知症とは、脳の神経細胞が壊れることで引き起こる様々な症状のことで、初期症状は物忘れや理解力の低下、作業能力の低下、精神混乱などが見られます。

また、認知症はご高齢者にとって非常に身近な症状です。
これから高齢化社会がさらに加速していく日本では、もっと当たり前の存在となるでしょう。
そこで大切なのが、認知症の早期発見と早めの予防です。
ぜひこの記事を参考にして、適切な予防策を取っていきましょう。

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