1. 介護施設の口コミ・評判なら介護の評判
  2. 介護に関するコラム
  3. お役立ち情報

2023.08.29

介護施設の避難訓練は義務!行うべき回数と実施の手順を解説

介護施設は多くの高齢者が利用しており
災害が起こった際、避難に時間がかかってしまいます。
高齢者の中には自分ひとりで身体を動かすことが難しい高齢者もいるなかで
いざ何かあった時に全員が迅速に避難するために
義務として定められている避難訓練を定期的に行って手順や注意点をしっかりと認識しておく必要があります。

今回は介護施設の避難訓練はどのくらい実施する義務があるのか、
実施する際の手順や注意点について解説していきます。

介護施設の避難訓練は年に2回行う義務がある

飲食店や物品販売店、学校などでも実施が義務付けられている避難訓練は
介護施設でも必ず行うべき訓練として定められています。
これは不特定多数の人が出入りする「特定防火対象物」に定められているからで、
その中でも介護施設での避難訓練の実施義務は年2回以上と決まっています。

また、特別養護老人ホームやショートステイ、有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの
夜間もサービスを提供している施設に関してはデイサービスなどと違うルールがあり、
年2回のうち1回は夜間に避難訓練を行うもしくは
夜間に災害は発生したことを想定した避難訓練を行う義務があります。

日中と比べて人員が少なくなる夜間の時間帯でも迅速に避難ができるように
日中と夜間両方の避難訓練を行うように求められているのです。

避難訓練前に確認するべき防火設備

介護施設で避難訓練を行うにあたって
まずは施設内に設けられている防火設備を確認しましょう。
基本的には以下の設備が設けられています。

  • 消火器
  • スプリンクラー
  • 自動火災報知器
  • 屋内消火栓

これらの設備の有無はもちろん、それぞれがどこの場所に設置されているのかを
避難訓練の前に予め確認し、いざ必要となった際にすぐに使用できるようにしましょう。
また、有無や設置場所だけでなくどのように使用するかもしっかりと把握しておくことが必要です。

避難訓練に必要な “避難訓練マニュアル” とは

年2回の実施が義務付けられている避難訓練には避難訓練マニュアルが必須です。
事前にどのような避難訓練を行うかの計画を作成してこれに準じて実施、
実施後の検証のサイクルを繰り返すことで
工程ごとの職員の必要な人数やどの部分に特に留意すればよいのかなどが定まり、まとめることができます。
このまとめられたものが “避難訓練マニュアル” であり、これがあることで
避難訓練の行動基準やリスク意識をより明確化することができるのです。

  • 災害発生時の職員毎の役割分担
  • 災害発生時の対応手順
  • 緊急時の連絡網
  • 避難時の経路図
  • 介護施設利用者、職員の一覧表

上記のような内容を前回の避難訓練マニュアルを参照しながら作成し、
これをもとに実施して次回の避難訓練に生かせるようにしましょう。

避難訓練マニュアルの他に必要な備品

避難訓練マニュアルの他に避難訓練の実施にあたって必要な備品は以下の通りです。

  • 施設の経路図(非常口や消化器、火災報知器が設置されている場所も記載)
  • 安全に避難するための備品(車いす、担架、防災頭巾、ヘルメット、拡声器等)
  • 介護施設利用者の一覧表(利用者の安否確認を都度行うために避難訓練マニュアルとは別に用意)
  • 通報訓練を行うための電話機(普段から使用している実機を使うとより効果的)
  • 出火場所特定のための目印(火災の場合は赤いバスタオル等)
  • 訓練の開始から点呼、確認までにかかった所要時間を測定するストップウォッチ

介護施設を利用している高齢者に使用してもらう備品に関しては予め高齢者に事前説明を行って
当日トラブルのないように準備しておきましょう。

介護施設での避難訓練の手順

まず当日までに目標・シナリオ作成を行っておきましょう、
避難訓練では出来るだけ具体的な災害の想定が必要です。
火災を想定した避難訓練を行えるようにする
消火活動を行えるようにする”  など具体的な目標を立てて
発生時刻やその時の現場の状況などのシナリオを細かく作ることでより現実味のある避難訓練を行うことができます。
また、目標やシナリオは都度変えるようにし
さまざまなパターンでの訓練をこなすようにしましょう。

火災を想定した避難訓練

非常ベルもしくは訓練開始の合図によって避難行動を開始します。
職員、利用者含むすべての人が避難できたタイミングで点呼を行い
責任者による各部屋の逃げ遅れている人の確認を行います。
けが人がいる場合は応急手当てを行い、訓練用の水が入った消火器で実際に消火訓練を実施してください。

水害・土砂災害を想定した避難訓練

避難勧告の発令によって避難行動を開始します。
職員、利用者含むすべての人が上階に避難できたタイミングで点呼を行い
責任者による各部屋の逃げ遅れている人の確認を行います。

地震を想定した避難訓練

緊急地震速報の合図のタイミングでまず職員、利用者含むすべての人が頭部や身体を守る安全確保を行います。
安全確保を行ったのちに全員の安否と火の元の確認を行い
エレベーターなどに人が取り残されていないかの確認を行います。

上記は基本的な避難訓練の手順です。
これにそれぞれの介護施設の特徴を加味した避難方法や
利用者などに合わせた方法などを組み込んで
より安全かつ適切な避難ができるように計画を作成し、実施してください。

避難訓練後には必ず内容の振り返りを

避難訓練が無事終了したら
実施した訓練の内容を振り返って前回の結果と照らし合わせて比較してみましょう。

訓練にかかった時間や流れのスムーズさ、危険事項の有無、適切に役割分担や指示ができたか、
正しい経路で避難できたかなどで問題点が見つかった際は
どのように改善をすれば良いのか、次回の避難訓練にどのように組み込むかを考えて
より安全で適切な避難ができるように努めましょう。

今なら会員登録でAmazonギフト券プレゼント!

会員登録はこちら