1. 介護施設の口コミ・評判なら介護の評判
  2. 介護に関するコラム
  3. お役立ち情報

2023.08.28

栄養を直接注入できる胃ろうとは?事前に知っておくべき4つの種類と目的を解説

「胃ろう」とはお腹から胃に穴をあけ、管をとおして栄養剤を注入する方法のこと。

口からの食事が難しい方でも栄養をしっかり取ることができ、誤嚥性肺炎のリスクを避けられます。
しかし注意すべきポイントがいくつもあるため、胃ろうについて十分に理解する必要があります。
今回は、胃ろうについての理解を深める為に種類や目的、メリット・デメリットについて触れていきたいと思います。

胃ろうとは|胃に管をとおして栄養を直接取る方法


胃ろうとはお腹から胃にかけて穴をあけ、管を通して栄養剤を直接注入する方法のことです。

食べ物をうまく飲み込めない方、誤嚥性肺炎のリスクが高い方など、口からの食事が難しい方に胃ろうは用いられます。
胃ろうを用いるには手術を必要としますが、身体の負担は少なく入院期間が短いため、そこまで気負わないで大丈夫です。

胃ろうのような体内へ栄養剤を直接注入する方法を「経管栄養」といい、ほかにも「腸ろう」「経鼻経管栄養」といった種類があります。
ほかの経管栄養に比べると、胃ろうは患者への負担が少なく違和感を感じづらいなど、様々なメリットがあるのです。
ただし注意すべきポイントもあるため、しっかりと理解していきましょう。

胃ろうの目的と行うべき人

胃ろうは身体への負担を減らして栄養を摂取するのが目的です。

口からではなく体内へ直接栄養を摂取できるため、患者の負担を和らげます。
負担を減らすと同時に再度口から食事を行うのを目標にしているため、嚥下訓練といわれるリハビリを日々行いましょう。

胃ろうは重度の認知症嚥下障害によって口から食事を取るのが難しい人や、せこみがひどくて誤嚥性肺炎のリスクが高い人が行います。
※誤嚥性肺炎は年間約4万人が死亡している非常に危険な病気です。

食事はご高齢者にとっても非常に楽しみな時間です。
胃ろうを用いたとしても、食事を行えるよう日々訓練を続けましょう。

胃ろうは全部で4種類|胃内部2種類・体外部2種類


胃ろうは体の外に出る固定板の2種類と、胃の内部に使用する固定板の2種類をそれぞれ組み合わせて利用します。
全部で胃ろうは4パターン考えられるので、順番に見ていきましょう。

■胃内部の固定板

バルーン型

胃内部の固定版でバルーン型があります。
バルーン型は蒸留水を使って、胃の中で風船膨らませ抜けづらくします。
挿入後に胃の中で膨らませるため本人への負担がかかりづらいです。
しかし管を長期間利用するのは難しく、1〜2ヶ月で交換しなくてはなりません。

バンパー型

バンパー型という胃内部の固定板があり、カテーテルを抜けづらくするストッパーがついているのが特徴です。
バルーン型に比べてカテーテルは抜けづらいものの、挿入時に多少の痛みをともないます。
その点、4〜6ヶ月の長期間利用が可能で交換の手間が省けます。
バンパー型の交換は専門医に頼むのが望ましいです。

■体外部の固定板

ボタン型

ボタン型は、栄養剤を入れる際にボタンを開けて接続する体外部の固定版です。
カテーテルが目立ちづらいため、誤って引っ張るリスクが低くなります。
またカテーテルの内側は汚れづらく、清潔感を保ちやすいといったメリットもあるのです。
とはいえ、チューブ型と比べて接続はしづらいので手間がかかります。

チューブ型

体外部の固定板にチューブ型があります。
栄養剤を注入するときチューブ先に接続しやすいのが特徴です。
しかしそのチューブ部分が目立ってしまい、引っ張って抜けるリスクもあります。
またチューブの内部が汚れやすいため適切な洗浄が必要です。

胃ろうのメリット・デメリット

メリット

胃ろうの最大のメリットは食事で起こる誤嚥のリスクを防げ、誤嚥性肺炎や窒息の予防になることです。
栄養剤を体内へ直接注入するため、口からの食事による誤嚥のリスクを減らせます。
また食事介助をしないため介護側の負担は少なくなり、ほかの経管栄養に比べて負担を減らせます。

デメリット

胃ろうのデメリットはお腹から胃にかけて穴をあける手術が必要なことです。
手術をするための費用がかかり、短期間の入院をしなければなりません。
また胃ろうは肌のトラブルが起こりやすく、管の交換を定期的に行う必要があります。

胃ろう介護で気をつけるべき3つのポイント

身体を清潔に保つ

胃ろう介護では身体を清潔に保つのが大切になります。
カテーテルの接続部分は炎症を起こしやすいためです。
身体が清潔でないとカテーテルの接続部分に細菌がはいり、炎症で赤く腫れてしまいます。
カテーテルを装着している間も入浴はできるため、こまめに入浴を行い清潔を保ちましょう。

上体を起こす

栄養剤を注入する際は、誤嚥のリスクがある為、必ず上体を起こしましょう。
不適切な姿勢で栄養剤を注入すると逆流する可能性があります。
栄養剤の逆流は誤嚥につながる恐れがあるので、上体を起こしてから注入しましょう。
上半身を30度ほど起こすことで、リスクを軽減できます。

口腔ケアを怠らない

胃ろうを用いる場合、口腔ケアを徹底する必要があります。
なぜ食事を口から取らないのに口腔ケアを行うのでしょうか?
それは誤嚥性肺炎の危険性があるためです。
胃ろうを長期間行うと唾液の分泌量が減り口内が乾きやすくなります。
口内が乾くと雑菌を繁殖させてしまい、唾や痰を飲み込んだとき誤嚥性肺炎を引き起こすリスクになるのです。
誤嚥性肺炎を予防するためにも、口腔ケアを怠らないようにしましょう。

ほかの経管栄養について|腸ろう・経鼻経管栄養

腸ろう

腸ろうはお腹から腸に穴をあけて管を通す経管栄養です。
何かしらの理由で胃ろうを行えない方が用います。
メリットは胃がうまく機能していなくても可能であり、栄養剤の逆流が少ないことです。
一方、処置が難しく扱いづらいのがデメリットといえます。
腸に栄養剤を直接注入するため下痢になりやすいのも特徴です。

経鼻経管栄養

経鼻経管栄養は鼻の穴から管をとおして体内へ栄養を与える方法です。
ほかの方法と違って手術を必要としないため、短期間の運用に向いています。
嚥下障害が軽度の方によく用いられる方法です。
デメリットは管が目立ちやすいことで、患者に不快感を与えてしまいます。

まとめ|栄養を直接注入できる胃ろうとは?事前に知っておくべき4つの種類と目的

今回は、胃ろうの種類や目的、メリット・デメリットについてご紹介しました。

胃ろうを用いれば誤嚥のリスクを防いで誤嚥性肺炎や窒息の予防につながります。
しかし注意すべきポイントがいくつもあり、人によって適切の方法が異なります。

それぞれの特徴を理解し、自分に合った経管栄養を選択しましょう。

経管栄養については、こちらの記事も合わせてご参考ください。
『経管栄養で注意すべきポイントとは?胃ろう・腸ろうのメリットをそれぞれ解説』

今なら会員登録でAmazonギフト券プレゼント!

会員登録はこちら