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2023.11.28

安全対策担当者とはどんな人?役割や要件について解説

転倒や誤嚥などの介護事故の危険性はどこの介護施設にも潜んでいます。
事故は起こってしまった際の対応も勿論ですが、発生させないように未然に防ぐことがとても重要です。
そんな介護事故と隣り合わせの現場で2021年4月から選任が義務化された「安全対策担当者」。
安全な介護現場の構築のためにより一層力が入ったことが分かります。
ですが一体どのようなことを行う存在なのか理解が深まっていないところもあります。

そこで今回は新たに介護事故の防止策のひとつとなった安全対策担当者がどのような役割を果たすのか、どのような人が適任なのか、
さらにはこれに紐づく加算の算定要件についても解説していきます。

令和3年に安全対対策担当者の選定が義務化

2年前の令和3年に介護保険施設の新たな運営基準として “安全対策担当者の選任” が義務化されました。
これは介護現場における転倒や誤嚥などの事故の予防強化を目的としています。

え、むしろ今まで安全対策の取り組みはなかったの?」と思ったそこのあなた。
実はこれまでにも介護の現場では介護事故の予防や再発の防止を目的としたいくつかの運営基準が設けられてきました。
ですが2018年に国で実施された調査結果では、
専任の安全対策担当を施設に配置している特別養護老人ホームは半数ほどにしか満たなかったという事実が発覚したのです。

この結果に基づいて選定が義務化された “安全対策担当者”。
安全対策の体制がしっかりと整備されている介護施設を評価することで事故の予防をより強化することが目的とされています。

介護施設における安全対策担当者の役割

安全対策担当者の役割は大きく分けて4つ。
一つ目は “委員会の定期的な開催” です。
事故防止委員会の中心的なメンバーとして定期的に委員会を開催し、
現状介護施設で発生している介護事故やヒヤリハット事例の情報収集と把握を行ったのちにこれらの分析や再発の防止の関する検討を行います。

二つ目は “委員会で挙がった内容のスタッフ周知” です。
委員会で挙がった事故事例やそれに対するまとめた分析や再発防止策などを同じ現場で働いているスタッフに共有します。

三つ目は “とりまとめた内容に基づいたルールの見直しや新たなマニュアルの作成” です。
同じ介護事故やヒヤリハットを起こさないために場合に応じてルールの見直しや新たなマニュアル作成を行い、
より安全な介護現場の実現のために取り組みます。

四つ目は “定期的な従業員に対する研修の実施” です。
事故の事例や新たにルール変更・作成を行ったマニュアルに沿って
再発を防ぐための研修を安全対策担当者が指揮をとりながら実施していきます。

この4つの役割を担い、介護現場の環境改善に率先して取り組むのが “安全対策担当者 というものなのです。

安全対策担当者とはどう選ぶ

安全対策担当者は特に資格・条件を要するものではありません。
既に専任の安全対策担当者を設置している施設は新たに設置する必要はなく、
今の時点でまだ担当者を設置していない介護施設に関しては1名を選出する必要があります。

特にこれと言った決まりがなく、介護職員以外の看護師なども選定することができますが
ある程度知識や経験を有しているスタッフを採用し、経験の浅いスタッフや多くの業務を抱えているスタッフは避けるのが適切かと思います。

安全対策担当者に選出されたスタッフは全老健・老施協・日慢協等の関連団体が開催する研修を受講する必要があります。
いずれかを選択し、受講することで晴れて安全対策担当者として業務を行うことができるのです。

安全対策加算の要件とは

安全対策担当者を設置することで安全対策体制加算を算定することができるようになります。
加算に必要な算定要件は全部で3つ。

① 外部の研修を受講した担当者を配置していること
② 介護施設内に安全対策部門を設置していること
③ 組織的に安全対策を実施する体制整備がなされていること

いずれかひとつではなく、上記3つすべてを満たしていることが条件となります。
2023年の現在はすべての介護施設に義務化されている安全対策担当者の設置ですが、
もし現在もこの義務化のルールに沿っていない場合は1日あたり5単位の減産となるので注意しましょう。
上記を満たすと晴れて安全対策体制加算の対象となります。

安全対策担当者とは安全に関する対策のリーダー的存在

介護現場での介護事故やヒヤリハット事例の改善・防止は業界での永遠の課題の一つです。
安全対策担当者が率先して取り組みを行うべきではありますが、もちろん一人ですべてを行うのには限界があります。
あくまで安全対策担当者を “中心” として現場全体で対策に取り組むようにするのと同時に
全員が当事者意識を持って業務にあたれるように日頃から心がけていきましょう。

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