介護予防サービスとは、要介護の進行阻止を目的とした要支援者向けのサービスのことです。
要介護の進行を防ぐだけでなく、身体機能の向上を目指す活動など様々なサービスが展開されており、その種類も様々あるのです。
そのため今回は、各サービスごとの目的や特徴を理解するために、介護予防サービスの種類や内容、利用するための条件についてご紹介したいと思います。
要介護者向けの介護サービスについては、別の記事にまとめました。
➡『ご高齢者向けの介護サービスとは?種類や特徴を徹底解説』
もくじ
介護予防サービスとは|要介護の進行阻止を目的にしたサービス
介護予防サービスとは、要介護や認知症の進行阻止を目的としたサービスのこと。
自立した生活ができるよう、身体機能の向上や生活機能の維持を行います。
サービス内容は最低限の介助や生活支援、身体機能向上のためリハビリ、生活相談やアドバイスなど様々です。
介護予防サービスを利用できるのは要支援1・2の方と総合事業対象者に限るため、要介護の方は利用できません。
要介護1〜5の方は介護予防サービスではなく、一般的な「介護サービス」を利用しましょう。
目的自体は介護予防サービスと似ており、自立した生活や要介護の進行を阻止することです。
介護予防サービスの利用条件|要支援者・総合事業対象者
介護予防サービスを利用できるのは要支援1・2の要介護認定を受けている人、もしくは総合事業対象者のどちらかです。
総合事業対象者とは、市区町村から総合業の対象であると認められている人のことです。
介護予防サービスは介護保険制度を適用できますが、要支援1だと限度額は低くなります。
とはいえプロの介護士や理学療法士が様々な指導を行っているため、要介護を進行させたくない人や身体機能の低下を感じている人は介護予防サービスを利用してみてください。
自宅で受けられる介護予防サービス
介護予防訪問介護
介護予防訪問介護とは、自宅へ介護士が訪問して生活援助を行うサービスのことです。
食事介助や入浴介助などの身体介護以外にも、生活の質を上げるアドバイスやご家族への相談を行います。
別名ホームヘルプとも呼ばれ、身体機能向上のため利用者の力を最大限引き出します。
介護予防訪問入浴介護
看護師と介護士の合計2人が訪問して入浴を手伝うサービス、それを介護予防訪問入浴介護と呼びます。
入浴前後の健康チェックや入浴介助全般など、入浴に関することを行います。
専用浴槽を用いて入浴介助が行われるため、衛生的な入浴を行えるのが特徴です。
とはいえこの訪問入浴は要介護1以上の方が基本的に利用します。
自宅に浴槽がない、感染症により他の施設を使えないなどの理由がないと利用できないので注意が必要です。
介護予防訪問看護
介護予防訪問看護は、看護師や保健師などが訪問して医療サービスを行います。
健康チェックや清潔に関わる介助、医療に関するアドバイスも受けられます。
主治医が作成した指示書に沿ってサービスが行われるため、事前に指示書の作成を依頼しなければなりません。
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防訪問リハビリテーションでは、理学療法士などのリハビリ専門職員が訪問して訓練に励みます。
身体機能の向上や生活の自立を目的に、リハビリや機能回復訓練を本格的に指導します。
日々の生活やリハビリの質問相談も行えるため、身体機能の低下を感じている方におすすめです。
介護予防居宅管理指導
医師や歯科医師が訪問して薬の服薬の指導を行うサービス、それが介護予防居宅管理指導です。
虫歯予防の歯磨き相談や食事の方法などの管理を行い、生活の質を向上させます。
介護予防居宅管理指導は、主に通院できない方が利用するサービスです。
施設へ通う介護予防サービス
介護予防通所介護(デイサービス)
介護予防通所介護は介護やリハビリを受けられる日帰りの施設です。
別名デイサービスとも呼ばれます。
施設へ足を運ぶ必要があるため、少々手間に感じるかもしれません。
しかし、他の利用者と深く関わることができ、認知症予防になります。
介護予防通所リハビリテーション
日帰りでリハビリを行える施設を介護予防通所リハビリテーションといいます。
通称デイケアと呼ばれる施設です。
専門職員による本格的なリハビリを受けられ、日常生活の向上を目指せます。
他の利用者と一緒にリハビリを行うことで、モチベーションの維持ができるでしょう。
施設へ短期間泊まれる介護予防サービス
介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
介護施設へ3日間〜1週間ほどの短期間入居をしてあらゆるサービスを受けられます。
別名ショートステイともいいます。
大多数の利用者と生活をともに送るため、良い刺激を受けられるはずです。
また、介護サービスの他にも医療行為・リハビリ・レクリエーションなど、様々なサービスが充実しています。
短期間施設で寝泊まりを行うため、介護する側の負担軽減にも繋がるでしょう。
介護予防短期入所療養介護
介護予防短期入所療養介護も施設へ短期間入居して生活を送るサービスです。
2つの違いとして、介護予防短期入所療養介護は医療行為を中心に行う施設への入居になります。
介護老人保健施設や病院がそれに当てはまります。
医師や看護師による医療ケアがメインとなり、身体機能の向上を目指します。
その他の介護予防サービス
福祉用具レンタルサービス
福祉用具レンタルサービスは、日常生活で自立するために必要な福祉用具をレンタルできます。
家族の介護負担を軽減できるだけでなく、本人の身体機能向上につながるのです。
歩行器や歩行補助杖などのレンタルが可能であり、購入もできます。
介護保険が適用できるため比較的安くレンタル可能です。
自宅を改修できるサービス
自宅で自立した生活が送れるように改修できるサービスがあります。
手すりの取付や段差除去といった内容で、上限はあるものの介護保険が適用されます。
自宅で生活を続けるためには必要なサービスといえるでしょう。
地域密着型介護予防サービス
住み慣れた地域で生活を送れる介護サービス、それが地域密着型介護予防サービスです。
グループホームなどがそれに該当します。
地域限定のイベントやレクリエーションなど、地域特有の行事を行います。
しかし同じ地域に住民票がないと施設への入居ができません。
まとめ|自分に合った介護予防サービスを選ぶために
今回は、介護予防サービスの種類と内容、利用するための条件を紹介しました。
介護予防サービスとは、要介護の進行阻止を目的としたサービスのことで、自立した生活ができるよう身体機能の向上を目指すために行われています。
利用できるのは要支援1・2の要介護認定を受けている方、もしくは総合事業対象者のどちらかです。
「自宅で受けられるサービス」「施設へ通うサービス」「施設へ短期間泊まれるサービス」の3パターンがあります。
そして、要支援者にとって最も大切なことは、いかに早く要介護の予防を行うかです。
介護予防サービスでは適切な予防を受けることができ、身体機能の向上を目指せます。
たくさんあるサービスを深く理解し、自分に合った介護予防サービスを見つけましょう。
関連記事 介護保険に必要な要介護認定とは?8段階の流れと申請方法
関連記事 ご高齢者向けの介護サービスとは?種類や特徴を徹底解説