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2025.06.10

介護業界における外国人材の現状と課題とは?人材不足の日本で今後行うべき取り組みは

日本は今、かつてないほどの高齢化社会を迎えています。
2025年には団塊の世代が75歳以上となり、介護を必要とする高齢者の人口は今後も増加の一途辿ることが予想されている一方で介護人材の不足はより深刻になってきており、
厚生労働省の推計によると2025年度には約243万人の介護職員が必要とされ、2019年度比で約32万人の人材が不足するとされています。

こうした背景の中で期待が高まっているのが「外国人の介護人材」です。
この記事では介護業界における外国人雇用の現状や制度の概要、さらには現場の課題や今後の展望について解説していきます。

外国人介護人材の受け入れ制度の変遷

日本における外国人介護人材の受け入れについては以前から議論されてきましたが、制度として本格化したのは比較的最近です。
現在は以下の4つの制度が、外国人が日本で介護職に就くための枠組みとなっています。

  • EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者

EPA介護福祉士候補者とはフィリピン・インドネシア・ベトナムの3つの経済連携協定に基づく介護に関する制度で、
候補者は来日後に日本語教育と介護施設での実務を行いながら国家資格である介護福祉士の取得を目指すものです。
これは2008年にスタートした制度で、国家試験に合格すれば介護福祉士として引き続き日本での就労が可能となります。

  • 留学生ルート

介護福祉士養成校に通う外国人留学生も卒業後に国家試験に合格して資格を取得すれば、日本での就労が可能となります。
この制度が日本語能力と学力がある若者を日本へ受け入れる仕組みで、質の高い人材の育成に寄与しています。

  • 技能実習制度

技能実習制度は元々技術移転を目的として導入された制度で、2017年から新たに介護職種が追加されました。
この制度を利用することで最長で5年間、実習生として日本の介護現場で働くことができます。
ただ、これは「労働力の確保」を目的としない建前で運用されている制度のため、制度的な矛盾や人権問題などの課題も指摘されているのが実状です。

  • 特定技能制度(特定技能1号)

特定技能制度は2019年に新設された制度で、より実践的な労働力を確保することを目的としています。
介護分野においては一定の技能試験と日本語試験に合格した外国人が5年間に日本で介護職に従事することができます。
ただ、日本での在留上限がない特定技能2号には介護分野が含まれていないため、現状では長期的な定住にはつながりにくいという点があります。

外国人介護人材の現状

厚生労働省によると、2023年の時点で日本国内で介護業務に従事している外国人は約6万人にのぼるとされており、今後はこの数が10万人を超えるとも予測されています。
その中でも特にベトナムやインドネシア、フィリピンと言った東南アジア諸国からの人材が多く、宗教や文化の違いを乗り越えながら日々の業務に従事しています。

このことにより昨今の介護現場では外国人職員が利用者と笑顔でコミュニケーションをとる姿が珍しくなくなってきて、中には日本人の職員以上に利用者に寄り添って信頼を集めるケースもあるのです。

外国人材雇用による介護現場での課題

外国人の介護人材の導入は、日本における介護業界の人材不足に貢献して現場に新たな風を吹き込む一方でいくつかの課題があるのも現実です。

  • 日本語の壁

介護の現場では「単に言葉が通じる」だけでは不十分です。
利用者の微妙な言い回しや方言、さらには非言語的な表現を理解することが求められます。
また、記録業務や報告書の作成など、日本語での読み書きの能力を必要とされる場面もあります。
一般的に介護現場では日本語能力試験N3レベル以上が目安とされることが多いですが、それでも実務上の壁は高いのが現状です。

  • 文化や宗教の違い

信仰している宗教によって、身体に触れることや異性介助に対する感覚には大きな違いがあります。
例えばイスラム教徒の場合は豚やアルコールに対する規制や礼拝の時間などへの配慮が必要となります。
また、宗教によって家族観や死生観も大きく異なる為、終末期のケアや看取りの場面での対応にも注意が求められます。

  • 職場内でのコミュニケーションと人間関係

異なる文化を持つ人との間のコミュニケーションはすれ違いが起こり、誤解や摩擦が起こることもあります。
また、日本人スタッフ側の「外国人だから仕方ない」という無意識の偏見や、外国人側の遠慮や不満の蓄積が、トラブルや離職の原因になることも少なくありません。

多文化共生への取り組みと成功事例

外国人材雇用による介護現場での課題をいくつかご紹介しましたが、このような課題を乗り越えて多文化共生を実現している施設も数多く存在します。
ある地方の特別養護老人ホームでは毎月1回、職員同士の異文化理解のためのワークショップを開催して外国人スタッフの文化背景や価値感を紹介しあう機会を設けています。
施設長の「文化の違いを理解することがチームの強さに感じる」という理念が職場全体に浸透し、離職率も大幅に減少しました。

また、介護現場での通訳支援や日本語教育の内製化、さらにはピクトグラムを用いた業務マニュアルの整備など現場に寄り添った取り組みも増えてきています。
企業によっては外国人職員が母国の料理を振舞うイベントを行い、利用者や地域住民との交流の場として活用しているケースも存在します。

外国人材雇用における今後の展望

介護業界における外国人雇用は単に人材不足を補うためのものではありません。
異なる価値観を持つ人々が協働することでサービスの質が高まり、利用者にとってより豊かなケアができるようになります。
今後は長期的なキャリア支援に加えて地域との関係構築、さらには制度の柔軟化の一本化などの視点が重要になってきます。
多様性を受け入れ、ともに支えあう社会を実現していけるよう向き合っていきましょう。

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