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2023.04.25

一過性脳虚血発作(TIA)の症状とは | 発症する原因や脳梗塞との因果関係を解説

日本国内における脳血管疾患の患者数は2017年時点で111万人を超えており、
特に60歳以上の高齢者に多い疾患とされています。
その中でも脳梗塞を発症する可能性を高くする「一過性脳虚血発作」は早い段階での診断と治療が必要とされる疾患です。
診断と治療が遅れることで脳梗塞のリスクが増加し、最悪の場合後遺症を残すことになってしまいます。

そこで今回は一過性脳虚血発作(TIA)の症状の特徴や原因、さらには後遺症が残る危険性のある脳梗塞との関係性について解説していきます。

一過性脳虚血発作(TIA)はどんな疾患? 実は脳梗塞と近い症状が起こる危ない病気

一過性脳虚血発作(TIA)はその名の通り、血液が脳内を流れなくなることにより
一時的に神経症状が生じる疾患で
基本的に24時間以内に症状がなくなるものを指します。

この一過性脳虚血発作(TIA)は脳卒中の前触れと言われており、
その後、早い段階で脳卒中を発症するとされています。
一過性脳虚血発作(TIA)はいわゆる脳卒中発症の黄色信号で、一過性脳虚血発作(TIA)にいかに早く気付いて治療を行うかによって
その後の症状に大きな差が出てくるのです。

また、一過性脳虚血発作(TIA)の症状は基本的に脳卒中と同じです。
主に以下の症状がみられることが多いです。

 

  • 運動障害(主に片麻痺)
  • 言語障害(呂律が回らない)
  • 歩行障害(上手く歩くことができない)
  • 意識障害(意識が遠のく)
  • 感覚障害(手足の痺れ)

 

上記の症状以外に特徴的なのが「一過性黒内障」です。
一過性黒内障は目の網膜に血を送る役割を持つ血管である眼動脈の血流が低下することで
一時的に片方の目が見えなくなる症状です。
この症状も短時間で消失するためあまり深く考えない人もいますが
今挙げた症状が少しでも見られたら早急に医療機関を受診しましょう。

一過性脳虚血発作(TIA)が起こる原因とは | 症状を引き起こす原因は主に3つある

脳卒中の前触れとされる一過性脳虚血発作(TIA)の原因は主に3つです。

一過性脳虚血発作の原因 塞栓性

塞栓性は一過性脳虚血発作の原因の中で最も多く見受けられるもので
太い動脈にできた血栓の一部分がはがれて血流にのることで
その一部分が血管に詰まって血流の流れを止めてしまうものを指します。
時間が経過することにより、はがれた血栓の一部分が解けて症状は改善されます。

 

一過性脳虚血発作の原因 血行力学性

血行力学性は元々脳の主幹動脈に狭窄や閉塞があって
一時的に血圧の低下などが起こることで脳の血流が低下して症状を発症させてしまうものを指します。
これも一時的なもので、血圧が正常に回復することによって症状は改善されます。

 

一過性脳虚血発作の原因 心原性塞栓性

心原性塞栓性は弁膜症や心房細動などが原因で心臓の中に血栓が生じて
その血栓がはがれて脳の血管に詰まることを指します。
血栓の大きさによって症状の名前が異なり、小さい血栓であることによってすぐに溶けた場合は
一過性脳虚血発作(TIA)と判断されます。

このように一過性脳虚血発作(TIA)の原因と要因にはいくつかの種類がありますが、
すべての原因に共通して言えるのは「原因となる現象の発生時間が短いこと」です。
この原因となる現象の時間の短さが症状発生の短さと比例しており、
脳卒中との差別化がなされているのです。

一過性脳虚血発作(TIA)の重症度はどう判断する?重症度判定にはスコアが役立つ

症状や原因が分かったとしても、いざ自分が一過性脳虚血発作(TIA)を発症したとしても
どのくらい重症なのかという判断はしづらいです。
その際に役立つのが「ABCD2スコア」と言われるものです。

A Age(年齢)…               60歳以上(+1点)
B Blood pressure(血圧)…          140/90mmHg以上(+1点)
C Clinical feature(臨床像)…        半身まひ(2点) 麻痺のない言語障害(+1点)
D Diabetes(糖尿病)…           あり(+1点)
D Duration of symptoms(症状の持続時間)… 60分以上(+2点) 10分~59分(+1点)

このABCD2スコアは自分がTIAかどうか分からない人や
どの程度症状が重いのか判断できない人に有効なスコアとなっており、
このスコアを参考にして点数が3点以上だった場合は早急に医療機関を受診し、入院や治療を始める必要があります。

一過性脳虚血発作(TIA)はどのように治療する?代表的な治療方法はこれ

一過性脳虚血発作(TIA)と診断された場合、基本的には内科的治療を行います。
動脈から血栓が飛んでしまった可能性が高い場合はアスピリン等の抗血小板薬を投与し、
心房細動があって塞栓症の疑いがある場合には抗血小板薬が効かないので
ワーファリン等の抗凝固薬を投与します。

また、頸動脈に高度狭窄がある場合は頸動脈内膜剥離術という血管を切開して詰まりの原因となるものを取り除く手術、
頸動脈ステント留置術という金属製の筒で血管を広げる方法などを用いることもあります。

高血圧や糖尿病等の疾患がある場合には治療と並行して生活習慣の改善も併せて行い、リスクの軽減につなげていきます。

一過性脳虚血発作(TIA)は時間との闘い | もしかしたらと思ったらすぐに医療機関を受診しよう

一過性脳虚血発作(TIA)は時間との闘いで、
処置や治療が早ければ早いほど脳卒中の発作を抑制することができます。
ですが自分での判断が難しいというのも現状です。
その際は先ほどご紹介したABCD2スコアを参考にし、
もしスコアが高かった場合は日本脳卒中協会が公開している各都道県の医療機関リストを参考にして
最寄りの医療機関を受診するようにしましょう。

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