高齢者の死因にもつながりやすい「肺炎」。
風邪と症状が似ており中々見分けることが難しい病気のひとつですが、場合によっては急速に悪化する可能性もある恐ろしいものです。
特に65歳以上の高齢者になると肺炎の予防は必須になってきます。
そこで今回は高齢者が肺炎にかかる原因や事前に肺炎にかからないように行う予防法などを解説していきます。
もくじ
高齢者を含む日本人の肺炎による死亡率は第5位
皆さんは日本人が亡くなる原因は何が多いかご存じでしょうか。
令和3年の厚生労働省人口動態統計のデータによると高齢者を含む日本人の肺炎での死亡率は第5位であり、前年と同様の水準を保っています。
また、肺炎に次いで第6位には誤嚥性肺炎が原因として挙げられており、死因の全体で見ても肺炎は大きな割合を占めていると言えます。
肺炎は体力がある若者にとっては治療をすることで治すことができる病気である一方、
若いころに比べて体力が衰えてしまったこれ医者にとっては死と隣り合わせのとても恐ろしい病気なのです。
その中でも呼吸器系の持病があったり、心臓や肝臓、腎臓などに持病があったり、
糖尿病や癌、リウマチなどを患っている高齢者は肺炎を発症しやすいというデータもあります。
高齢者が肺炎にかかった際の初期症状
肺炎の初期症状は極めて風邪と似ており、早い段階で肺炎と判断するのが難しいと言われています。
- 発熱
- 咳
- たん
- 息切れ
- 胸の痛み
記の中でも特に発熱や咳、たんは風の症状と類似しているのに加えてこれらの症状も出づらいとされています。
その反面、急に元気がなくなったり、食欲がなくなったり、起き上がることが少なくなって寝てばかりになってしまったり、
意識がはっきりしなくなったりした際は肺炎の兆候である可能性があります。
「いつもと様子が違うな」と少しでも違和感があった時は早い段階でお医者さんに相談することをオススメします。
高齢者の肺炎の原因で最も多いのが「肺炎球菌」
肺炎を引き起こす原因として挙げられるものはいくつかありますが、その中で最も多いのが「肺炎球菌」という病原微生物の感染です。
日本人高齢者の約5%の人の呼吸器に住みついていると言われており、
風邪などによる免疫低下や誤嚥によって喉や鼻に住みついている肺炎球菌を吸い込んでしまうことで肺炎を発症してしまいます。
飲み薬や注射薬を用いることで回復することがほとんどですが、持病を持っている人などは重症化しやすい傾向にあります。
その為、持病を持っている人は事前に肺炎球菌のワクチンを接種を行って悪化を予防することができます。
ワクチンには23価ワクチンというものと13価ワクチンというものの2種類があり、それぞれ受けられる年齢やワクチンの効果が異なる為、
ワクチンの接種を検討されている方はかかりつけのお医者さんに相談してみることをオススメします。
肺炎球菌の他にも関節リウマチなどの病気や服用している薬の副作用、普段使用している羽毛や部屋にいるカビなどに対するアレルギーなどさまざまなものが挙げられます。
何が原因で肺炎を発症しているか自分自身で判断することは難しいため、少しでも違和感を感じたタイミングで医療機関を受診して原因を特定することが重要です。
高齢者の命をも左右する肺炎の悪化を防ぐ方法
肺炎の予防には日頃からの対策が必要不可欠です。
基本的にはまず手洗い、うがい、マスクなどの一般的な衛生面から気を付けましょう。肺炎は風邪やインフルエンザなどのあとに発症することが多いです。
また、栄養管理や禁煙も肺炎の悪化を防ぐためには大切です。
呼吸器系を含め何らかの持病を持っている人は人一倍普段の生活から注意しなければいけません。
さらには日ごろから適度な運動を心がけたり、よく笑うように意識したりすると免疫が活性化されて肺炎の予防につなげることができます。
また、誤嚥による肺炎に対しての予防は普段の食事の摂り方に注意することが効果的です。
- 早飯はNG、ゆっくり時間をかけて食事を摂る
- 一度に多くの量を口にふくまず少しずつ口に入れる
- 猫背になったりのけ反ったりせずに姿勢よく食事を摂る
- 食べながらの会話は控える
上記に気を付けて食事を摂ることで誤嚥による肺炎を防ぐことができます。
高齢者の肺炎は一度かかったら命取り!悪化させないように日頃の予防から徹底しよう
先程もお伝えした通り、肺炎は高齢者を含め日本人の死因の第5位に上るほどとても身近な病気です。
とても身近な病気の為、注意しないといけないという意識があっても風邪などと症状が似ていて中々早期の発見に至らない子ケースもあります。
見つけるのが遅くなって手遅れにならない為にも肺炎の徴候や症状をしっかりと把握して早めの発見ができるように心がけましょう。
また、持病によって肺炎が悪化してしまうケースもある為、日頃からかかりつけのお医者さんとしっかりと体調の共有を行って早期の発見につなげられるようにしましょう。