高齢化社会が進む中で高齢者の一人暮らし、いわゆる「独居老人」が増えてきています。
独居老人の増加は高齢者の孤立化を引き起こす大きな要因になるほかのもさまざまなリスクを引き起こします。
万が一のことが起きないためにも事前に対策をおとることがとても重要です。
そこで今回は高齢者の一人暮らし「独居老人」の現状と、独居老人の万が一に備える、事前に行うことのできる対応策について解説していきます。
もくじ
高齢者の一人暮らし「独居老人」の割合は高齢者世帯全体の約3割
厚生労働省が2021年に行った国民生活基礎調査の結果によると、日本国内の65歳以上の高齢者世帯（65歳以上の人がいる世帯）が2,580万9千世帯あるうち、
単独世帯、いわゆる独居老人の数が742万7千世帯にも上り、全体の約3割を占める結果になっています。
さらに独居老人を性別別でみると男性が35.7%、女性が64.3％占めており、年齢別にみると男性は70歳から74歳、女性は85歳以上が最も多いとされています。
他人事のように感じている方もいるかもしれませんが少子高齢化社会は今後さらに加速していくことが予想されており、
今の若者世代が高齢者と呼ばれる年齢になるタイミングにはこの数がさらに膨れあがっていることはほぼ確実です。
その為、自分の親は勿論のこと、自分自身が高齢者になって同じ状況になった際にどうすれば良いのかを今の段階から考えておく必要があります。
高齢者が独居老人になることで起こる可能性のある問題
独居老人は家族で暮らしていたころと比べて周囲とのコミュニケーションが少なくなっていく傾向にあるため、場合によっては以下のような問題が発生する可能性が大きくなります。
- 生活意欲の低下
独居老人になることで今まで感じていた生きがいや歓び、楽しみなどを感じなくなる人が増える傾向があります。
これにより日々の張り合いを感じなくなってしまい、生活意欲が低下してしまう可能性があります。
- 社会的な孤立
独居老人になると著しく人とコミュニケーションをとる機会が減り、人によってはご近所づきあいなどもなく地域で孤立してしまう人もいます。
通販や無人レジなどの普及で物理的に便利になった一方でコミュニケーションの場が少なくなってしまったことで社会的な孤立を感じる人も多いです。
- 病気や怪我の進行
独居老人になると周囲の目がないため、自分では気づくことができない身体の異変に気付きにくくなってしまいます。
その為認知症や怪我、その他の病気の発見が遅くなってしまい気づいたときには重症になってしまっている可能性があります。
- 孤独死
独居老人になると病気や怪我の発見が遅くなってしまい、重症化して最悪の場合孤独死を引き起こしてしまう可能性があります。
東京都で2020年に発見された孤独死は4,238件にも上り、前年度よりも件数が増えてしまっているのが現状です。
独居老人問題におけるトラブルを事前に防ぐための対策
対策 ① 高齢者本人が行うことのできる対策
独居老人の問題における対策として自分自身で自分の身体のことを把握しておくに越したことはありません。
些細な体調の変化にも気付くことができるように地方自治体などが定期的に実施している健康診断を受診する習慣をつけて健康状態を把握する癖をつけましょう。
また、万が一災害が起こった際にも自分で自分の身を守れるように避難場所の確認も徹底しておくことが必要です。
認知症などを患っておらずある程度自身で自立した生活を送ることができる独居老人に関しては
自分自身で社会とのつながりを絶やさないことを日頃から意識することで万が一何かが起こった際にも周囲の助けを得ることができる可能性が増えます。
対策 ② 家族が行うことのできる対策
高齢者が自分自身で問題解決ができない場合は家族がさまざまな対策を取って万が一に備える必要があります。
例えば転倒や徘徊などをいち早く察知することができるようにカメラやセンサー、緊急ボタンなどの設置、服薬忘れを防止するための服薬ロボットの導入、
さらには近くの介護サービスや地域包括支援センターなどの利用、成年後見人の利用など
社会とのつながりが消えることの無いように利用できるサービスは積極的に取り入れることが重要です。
「やっておけばよかった」と後から後悔しないようにするためにもお住まいの場所で利用することができるものは予め調べておき、
取り入れることができるものに関しては利用していきましょう。
高齢者の一人暮らし「独居老人」によって引き起こされる問題は事前に対策を行おう
今後さらに高齢者の一人暮らし「独居老人」が増えることによって起こる問題は増え続けていくと予想されます。
ですが起こる問題は事前に対策を行うことによって防ぐことができるものも多くあります。
万が一の時に後悔しない為にも予め対策を行い、問題が大きくならないように努めていきましょう。