認知症になる高齢者が増える中で近年、その認知症とどう共に歩んでいくかが問われています。
そこで今注目されている「認知症サポーター」という取り組み。
認知症は決して他人事ではなく自分自身もなりうる可能性のある症状のひとつです。
そこで今回はそんな認知症サポーターが担う役割やどのような活動をしているのか
さらには認知症サポーターの養成講座とは一体どのようなものなのか解説していきます。
もくじ
認知症サポーターとは認知症患者やその家族の手助けをする存在
認知症サポーターとはその名の通り
認知症の人やその家族に対して正しい知識と理解を持ったうえで手助けをする人のことです。
日本における認知症患者の数は2020年に既に600万人を超えており
来たる2025年には675万人まで増えると予想されています。
これは高齢者の5.4人に1人は認知症を患っているという計算になり、
しかもその675万人中の18.5%は他の病気も併発しているとされているのです。
そんな日本の高齢者に密接に結びついている認知症患者をサポートする存在として
2005年に厚労省が発案した「認知症を知り地域を作るキャンペーン」の一環として認知症サポーターが生まれたのです。
認知症サポーターにはどんな役割が求められている?
認知症サポーターの役割はズバリ”正しい知識と理解を持って認知症の人を見守ること”です。
これに則って厚労省は以下のことを認知症サポーターに求めていると定義しています。
1.認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない
2.認知症の人や家族に対して温かい目で見守る
3.近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する
4.地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる
5.まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する
引用元:厚生労働省
認知症を発症したばかりの人は特に自分の変化に不安を感じていることが多いです。
忘れることが増えてきたり、当たり前に出来ていたことができなくなってしまったりすることに不安を感じて
どんどん気持ちが落ちていってしまうこともあるのです。
認知症サポーターはそんな認知症の人に対して「自分のことを理解してくれている」というような安心感を与える存在として活躍しているのです。
認知症サポーターが実際に行っている活動事例
認知症サポーターになるためには90分の講座を受講する必要があります。
この講座を受講完了することで誰でも認知症サポーターになることができるのです。
90分の講座の構成内容は以下のようになっています。
●認知症サポーターキャラバンとは 15 分
●認知症を理解する1 30 分
1.認知症とはどういうものか
2.認知症の症状
3.中核症状
症状1|記憶障害
症状2|見当識障害
症状3|理解・判断力の障害
症状4|実行機能障害
症状5|感情表現の変化
4.行動・心理症状(BPSD)とその支援
●認知症を理解する2 30 分
5.認知症の診断・治療
早期診断、早期治療が大事なわけ
認知症の治療
認知症の経過と専門家との関係
成年後見制度/地域福祉権利擁護事業
6.認知症の予防についての考え方
7.認知症の人と接するときの心がまえ
8.認知症介護をしている人の気持ちを理解する
●認知症サポーターとは 15 分
●認知症サポーターのできること
引用元:認知症サポートキャラバン
受講費用は原則無料で、認知症サポーター養成講座の標準教材をもとにして進行されます。
※一部地域によっては独自で作成した資料などを使って講座を開いているところもあります。
また、認知症サポートには先程ご紹介した講座以外に「ステップアップ講座」もあるので
より認知症への理解を深めたいという人は是非受講してみてください。
認知症サポーターになってもっと暮らしやすい世の中へ
認知症サポートはただ講座を受講して知識をつければよいと良いというものではありません。
つけた知識を何度も復習しながら実際の暮らしの中で生かしていく必要があります。
認知症の人が生活しやすい地域を作る為にも是非
講座を受講して認知症サポーターを目指してみてはいかがでしょうか。