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2021.01.20

見当識障害とはどんなもの?記憶が曖昧になる認知症の発生原因やその症状を解説

見当識障害とは時間や場所、人物の繋がりがわからなくなる症状で、単純な物忘れとは少し違った認知症です。
この見当識障害やアルツハイマー病などの認知症は年々増えており、少子高齢化が進む日本では、認知症患者の増加が更に加速するとみられています。

そこで大切になるのが早めの予防と早期発見なのです!

今回は、見当識障害の症状や脳に起こる発生原因具体的な予防方法についてご紹介いたします。

見当識障害とは|時間や場所、人物がわからなくなる症状


見当識障害(けんとうしきしょうがい)とは、認知症の一種で時間や場所、周りの人物の関係性がわからなくなる症状のことです。

レビー小体型認知症によく見られる症状であり、アルツハイマー型認知症の悪化にも見当識障害が現れます。
認知症の症状についてはこちらを参考ください。
『様々な症状が起こる認知症とは?』

見当識障害が発症すると日付や時間を忘れたり間違えたりします。季節の誤認識が起こることもあるでしょう。
また自分の今いる場所がわからない、あの人と自分の関係性が思い出せないなど、場所と人物が不明確にもなるのです。
見当識障害には自分の状況がわからなくなる不安感により、性格の変化が起きる二次的症状も現れます。
症状を悪化させないためにも、適切な対応をしなければいけません。

アルツハイマー型認知症との繋がり

認知症で最も多いとされるのがアルツハイマー型認知症です。
そのアルツハイマー型認知症と見当識障害には繋がりがあります。

アルツハイマー型認知症の初期症状に多く見られるのが物忘れです。
約束を忘れてしまったり、昨晩の食事を覚えていなかったりと、ものごと自体を忘れてしまいます。
その物忘れが悪化すると見当識障害の症状が目立ち始めるのです。
物忘れと見当識障害が重なる場合、自分や周りの事実が不明確になるため混乱をより招きやすくなってしまいます。

まずはアルツハイマー型認知症の症状を理解し、予防を徹底しましょう。
アルツハイマー型認知症についてはこちらを参考ください。
『アルツハイマー型認知症の具体的な症状』

3種類の見当識障害とその症状

見当識障害には、時間・場所・人物に関連した3種類の症状が現れます。
症状は下記の順番で見られることが多いです。

  1. 時間の見当識障害
  2. 場所の見当識障害
  3. 人物の見当識障害

時間の見当識障害

はじめは多くの場合、時間の見当識障害から発症します。
時間の見当識障害は日付や時間帯の認識ズレが目立ち始めます。
時間通りに予定をこなすのが難しくなり、遅刻や約束破りが多くなるのです。
症状が悪化すると、春夏秋冬がわからなく時間の把握が難しくなります。
そのため夜中に買い物へ出かけようとする、季節外れの洋服を着ようとするなど、時間と季節のご認識が起きるのです。

場所の見当識障害

次に見られるのが場所の見当識障害です。
場所の見当識障害では、自分の今いる場所が認識できなくなる症状が現れます。
「ここはどこだっけ?」と頻繁に尋ねるようになると注意が必要です。
また、普段行き来しているスーパーへ行けなくなったりします。
さらに悪化すると「変なところに連れて行かれた」と混乱を招き、外へ出ること自体に恐怖してしまうのです。

人物の見当識障害

最後に人ととの繋がり不明確になる、人物の見当識障害が現れます。
その人自体は覚えているものの、自分との関係性を忘れてしまったり、知り合いかどうかわからなくなったりします。
そのため「あの人は私のなに?」とよく聞くようになるのです。
また自分の生まれた場所や家族構成も曖昧になってしまうため、早めの予防が必要となります。

脳に起こる見当識障害の発生原因|認知症の悪化


見当識障害の発生原因は、認知症の悪化によるもので脳の神経細胞が破壊されるためです。

悪質なタンパク質が脳内に蓄積して認知症は引き起こります。また、認知症の悪化は脳の衰えによるものです。
例えば最近まったく会話をしていない、しばらく外に出ていないなど、脳を使う頻度が極端に少なくなると悪化してしまうでしょう。

見当識障害を発症させないためにも予防方法・リハビリをしっかり理解しましょう。

見当識障害の予防方法について

見当識障害だけでなく認知症全般に当てはまりますが、早期発見と早めの予防が大切になります。
今からでも遅くありませんので、ぜひ日頃から心掛けてみてください。

適度な運動を取り入れる

適度な運動を取り入れれば見当識障害の予防に繋がります。
運動には脳を活性化させる作用があるためです。
人間は身体を動かす際、脳の神経細胞へ信号を送っています。同じく脳を使うときにも、身体に対して信号を送信しています。
このように、脳内で信号の送受信を行うことよって運動は成り立っているのです。

信号の送受信は脳を活性化させ、神経細胞の劣化を遅らせることができます。それは結果として見当識障害の予防につながるのです。
とはいえ過度な運動を行わなくても、散歩をするだけで十分効果を得られるでしょう。

日付・時間の質問を毎日する

見当識障害を発症させないためにも、日付・時間の質問を毎日してください。
日付や時間に対する意識が芽生えるからです。
頭で思考を行わなくなると脳の神経細胞の劣化に繋がります。
一方、毎日質問されて考えさせられる場合、必然的に脳で思考を行うことになるでしょう。
脳で思考を行い続け、常に意識して考えられるようになれば、見当識障害を予防できるはずです。

例えば「今日は何日だっけ?」「今何時か教えてくれる?」など、何気ない問いをかけることで日付や時間の意識付けができます。
上手く答えられなかったとしても相手をせめることなく、できるだけ毎日行いましょう。

栄養のある食事を摂る

栄養のある食事を摂れば見当識障害の予防になります。
「食事と見当識障害は関係ないんじゃない?」そう思う方もいるのではないでしょうか?
しかし、食事と見当識障害の関連性は十分高いといえます。

脳でなにかを思考する際は食事で蓄えた栄養を用いて行います。
栄養を十分に摂ることで脳を上手く活用でき、思考を深められるでしょう。
思考を深めることで神経細胞の活性化に繋がるため、見当識障害の発症リスクを抑えられるのです。
そのため毎日バランスの良い食事を摂って、健康状態を維持しましょう。

最適な食事形態の選び方!嚥下能力に合わせた食事形態を徹底解説

見当識障害の患者との関わり方

最後に見当識障害の患者との関わり方をお話します。
見当識障害の患者と接する場合、日付を何回も訪ねてきたり、自分との関係がわからなくなったりと、戸惑う場面が多々あるかもしれません。
ですが、相手は自分以上に不安な気持ちがいっぱいです。
そのことを忘れないで見当識障害の患者と関わってください。

症状を深く理解する

見当識障害の患者と上手く接するには、症状を深く理解することが大切でしょう。
症状を知らないと自分が振り回されてしまうためです。
日付や場所を何度も尋ねられると「なんでそんなこともわからないの?」と思ってしまい、過度なストレスを溜めてしまいます。
しかしストレスが溜まると相手を思いやる気持ちを忘れてしまい、結果として上手く関わることはできません。

一方、見当識障害の症状を深く理解していた場合は対応が変わります。
同じような質問をされても「見当識障害だから仕方ない」と思うことができ、心に余裕を持ってコミュニケーションが取れるでしょう。
上手く関わるためにも、まずは見当識障害の症状を深く理解してみてください。

間違っていても否定しない

見当識障害の患者が間違った発言をしても否定しないでください
発言を否定するとさらに混乱させてしまうからです。
見当識障害の患者はわざと間違えているわけではなく、自分の置かれた状況が本当にわからなくなっています。
混乱している状況で否定されると、見当識障害の患者はさらに戸惑ってしまうでしょう。

そんな場合は間違えを否定するのではなく、正しく教えてあげて、安心してもらうのが大切です。
相手の発言を承認することで良い関係性へとつながり、見当識障害の予防になるでしょう。

また、認知症のご高齢者への適切な接し方として「ユマニチュード」という方法があります。
『ユマニチュードが介護の本質といわれる理由とは?』

まとめ|記憶が曖昧になる認知症「見当識障害」とは?脳に起こる発生原因と症状

今回は、見当識障害の症状と脳に起こる発生原因、具体的な予防方法についてご紹介しました。

見当識障害とは、時間や場所、周りの人物の関係性が不明確になる症状のことです。
原因は認知症の悪化によるもので、時間・場所・人物に関連した3種類の症状が見られます。
もしご家族の方に見当識障害が発症したとしても、相手を尊重し承認することで、良い関係性を築くことができるでしょう。

関連記事 予防がすべてといわれる認知症とは?代表的な3つの種類と初期症状を詳しく解説

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