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2021.01.29

経管栄養で注意すべきポイントとは | 胃ろう・腸ろうのメリットや注意点を解説

自宅で介護をしている方で経管栄養を検討している方は多いのではないでしょうか?

嚥下能力が低下してむせこみが多くなると、窒息や誤嚥性肺炎などのあらゆる危険性が孕みます。

この経管栄養には様々な種類があり、その人に合った適切な方法をとる必要があります。
そのためこの記事では、経管栄養の種類や具体的な注意点についてご説明いたします。

経管栄養とは|体内に直接栄養を送る方法

はじめに経管栄養とはなにかを説明します。
経管栄養とは、胃や鼻から管をとおして体内へ直接栄養を送る方法のことです。

基本的に嚥下障害などの原因で口から食事を行えない人に用いられます。
誤嚥による誤嚥性肺炎や窒息を予防でき、安全に栄養を摂取できるのです。

経管栄養方法には、胃に穴を開けて管を通す「胃ろう」や、鼻の穴に管をとおして体内へ栄養を送る「経鼻経管栄養」などがあり、その人の状態や要望によって方法が異なります。

経管栄養を行うべき人の特徴


続いて、経管栄養を行うべき人の特徴をお話します。

食べ物を噛み砕いたり飲み込んだりできない「嚥下障害」を持っている人が経管栄養を行うべきといえます。
また放射線療法などのがん治療により、口から十分な栄養を摂取できない人にも用いられます。
なお、いずれも消化管の機能が正常でないと経管栄養は利用できません。

また経管栄養では満腹感を味わえるものの、食事を行う楽しみや味を感じられません。
ご高齢者にとって食事は非常に楽しい時間であるため、訓練を日々続けて再度食事を取れるようにしましょう。

経管栄養の種類|胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養


経管栄養は大きく分けて「胃ろう」「腸ろう」「経鼻経管栄養」の3種類があり、それぞれ違った特色があります。
人によって最適な方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。

  1. 胃ろう
  2. 腸ろう
  3. 経鼻経管栄養

胃ろう

胃ろうはお腹から胃に穴を開け、管をとおして栄養を注入する方法です。

ほかの経管栄養と比べて負担が少なく違和感を感じづらいのが特徴で、管を洋服で隠せばほとんど気になりません。
しかしお腹から胃にかけて穴をあける手術が必要であり、時間や手間がかかります。
管の交換を定期的に行わなければならなく、肌トラブルになりやすいのもデメリットといえるでしょう。

腸ろう

腸ろうはお腹から腸にかけて管を通す経管栄養です。

主になにかしらの理由で胃ろうをできない人が腸ろうを行います。
腸ろうを用いることのメリットは、胃がうまく機能していなくても可能であり、栄養剤の逆流が少ないことです。
その一方で胃ろうよりも処置や扱いが難しく、胃ろうと同じような手術を必要とします。
また直接腸へ栄養剤を注入するため負担を与えてしまい、下痢になりやすい特徴があります。
扱いが難しいことから受け入れをしない施設も中にはあり、施設へ入居を検討している方は注意しなければなりません。

経鼻経管栄養

経鼻経管栄養は鼻の穴からチューブをとおし、体内へ直接栄養を与える方法です。

手術を必要としないので短期間での運用に向いており、口からの食事が再度見込める方の方法でもあります。
とはいえ鼻に管がとおっているため洋服などで隠すことはできず、目立つのがデメリットです。
不快を感じやすいことから、鼻にとおっている管を抜いてしまう方も中にはいます。

経管栄養の具体的な3つの注意点!

あらゆるトラブルを避けるためにも、経管栄養の注意点を事前に知っておきましょう。

  1. 管が詰まる
  2. 管が抜ける
  3. 皮膚が荒れる

管が詰まる

管が詰まってしまい経管栄養をうまく行えない場合があります。

特に内服薬を用いる際は注意が必要で、十分に内服薬が溶けたのを確認してから栄養剤を注入しましょう。
管が詰まってしまうと栄養失調のリスクや様々なトラブルにつながってしまいます。
詰まっているのを発見したら早めに医師へ報告して、管を交換しましょう。

管が抜ける

経管栄養中に注意すべきは管が抜けてしまうことです。

経管栄養中は管をピンと張った状態で行うため、身体を動かしたり引っ張ったりするだけですぐに抜けてしまいます。
特に胃ろうで管が抜けた場合、すぐに医師へ連絡してください。
数時間で胃ろう箇所が小さくなり、1日でほぼ完全に穴がふさがってしまいます。
経管栄養中は管が抜けないよう気をつけましょう。

皮膚が荒れる

胃ろうや腸ろうで気をつけるべきは皮膚が荒れるなどの肌トラブルです。

管の周りに負担がかかったり、衛生的でなかったりすると起こります。
長時間同じ箇所に管が当たり続けると内出血が起こり、不衛生にするとそこから細菌が入り腫れ上がってしまうのです。
お腹周りに腫れや赤みが出ていないか都度確認を行いましょう。

再度食事を行うためには「嚥下訓練」が重要

経管栄養はあくまで一時的なものが多く、再度口から食事をとるのを目標とします。

そのために必要なのが「嚥下訓練」と呼ばれる行為です。

嚥下訓練は経管栄養をしている最中でも可能で、嚥下能力の向上が期待できます。
はじめに行う基礎訓練では食べ物を使用せず、口腔ケアや嚥下体操を用います。
嚥下体操とは、発声をしたり舌を出したりして口内の筋肉を活性化させることで、「パタカラ体操」もこの嚥下体操に含まれます。

基礎訓練がうまくいったあとは食べ物を口に含んで咀嚼(そしゃく)し、頬や喉の筋肉を活性化させて嚥下障害の改善を目指します。

美味しく楽しい食事の時間を取り戻すために、諦めずに嚥下訓練を続けていきましょう。

介護施設を検討する際のポイント

介護施設を検討する際にポイントとなるのが24時間看護師が常駐している施設かどうかです。

経管栄養は看護師や医師が行うため、24時間医療行為のできる施設でないと受け入れを拒否される可能性があります。
事前に施設情報を調べておくことをおすすめします。

施設へ入居することでプロによる口腔訓練や治療が受けられ、嚥下能力の改善が期待できるでしょう。
本人のためを思い施設への入居を検討してみてください。
→『ご高齢者向けの介護サービスとは?種類や特徴を徹底解説』

まとめ|その人に適切な経管栄養を検討しよう


この記事では、経管栄養の種類、具体的な注意点についてご紹介しました。

経管栄養とは胃や鼻から管をとおして体内へ直接栄養を送る方法のことで、嚥下障害など何かしらの原因で口から食事を取れない人に行われます。

その方法は大きく分けて「胃ろう」「腸ろう」「経鼻経管栄養」の3種類があるので、その人に合った方法を用いてください。

また、管が抜けてしまったり肌が荒れてしまったりと、経管栄養には様々なトラブルが付きものですので細心の注意をはらいましょう。

ご高齢になると嚥下能力の低下が起こり、口からの食事が難しくなります。
しかしご高齢者であっても食事は非常に楽しい時間です。
ぜひこの記事を参考にして適切な経管栄養を検討し、嚥下能力の向上を目指しましょう。

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