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2026.03.04

臨時の介護報酬改定(+2.03%)で「最大月.19万円の賃上げ」は本当?仕組みと影響をわかりやすく解説

「介護職の地投げが最大で月1.9%」「2026年6月に介護報酬が+2.03%」という話題をみかけて、気になっている方も多いはず。
結論から言うと、これは “根拠ある方針” です。
厚生労働省は、令和8年度(2026年度)の介護報酬改定率を+2.03%とし、介護従事者は月1.0万円、介護職員は定期昇給込みで最大月1.9万円の賃上げが可能な水準となると説明しています。

ただし注意点もあります。
+2.03%が “全サービス一律で2%上がる” という意味ではなく、主役は処遇改善加算の拡充です。
利用者負担(自己負担)の増え方も、事業所が加算を算定するか、利用者の負担割合が何割かで決まります。

この記事では、家族・利用者の視点でも、事業者・現場の視点でも「何が変わるのか」をかみ砕いてまとめていきます。

もくじ

そもそも「臨時(期中)介護報酬改定」ってなに?

介護報酬は原則として3年に1回見直されますが、物価高や人材不足などの事情で「待っていられない」場合、
期中(途中)の改定が行われることがあります。
今回のポイントは令和9年度(2027年度)の定期改定を待たずに、令和8年度に “処遇改善中心” で前倒しの改定を行う点です。

厚生労働省の審議報告でも、令和7年度補正予算の賃上げ支援(2025年12月分~2026年5月分)とのつながり等を踏まえ、処遇改善の見直しは「令和8年6月施行」が適当と整理されています。

改定率+2.03%の内訳:ほとんどが「賃上げ目的」

区分

施行時期 中身

介護分野の職員の処遇改善:+1.95%

2026年6月

処遇改善加算の拡充(賃上げ)

食費の基準費用額の引上げ:+0.09% 2026年8月

施設等の食費の基準費用額を1日100円引上げ

つまり「改定のほとんどは賃上げに回す」という設計です。
さらに、食費については低所得者の負担増を抑える扱い(据え置き、または段階に応じた引き上げ)も示されています。

「最大月1.9万円の賃上げ」は本当?条件を分解するよこうなる

結論として「最大月1.9万円」は “誰でも自動的に” ではなく、以下の要素が合算された「到達目的」に近いイメージです。

  • 介護従事者を対象に、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置
  • 生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員に、月0.7万円(2.4%)の上乗せ
  • これらに加えて、定期昇給0.2万円込みで「最大月1.9万円(6.3%)」を目指す

ポイントは2つ。
1つは「対象が介護職員だけでなく、介護従事者全体に広がる」こと。
もう1つは「上乗せを得るには、生産性向上や協働化など、一定の取り組みが求められる」ことです。

対象が広がる:ケアマネや訪問系の一部も “新たに加算対象” へ

今回の改定では、処遇改善加算の対象が “介護職員のみ” から “介護従事者” に拡大される方針が示されています。
加えて、これまで処遇改善加算の対象外だったサービスにも新たに加算が設けられます。
資料では訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援(エカマネ)などが例示されています。

介護の現場はチームで回っているのに、職種で賃上げの届き方が違う」という不満が出やすかった部分に、制度として手を入れる形です。

“最大” に届くには:事業所側の準備がカギ

処遇改善加算は、算定のために計画書の提出や要件整備が必要です。
厚生労働省の通知では、2026年6月以降分の見直し様式を2月下旬目処に示す予定としたうえで、4月・5月分を申請する事業者は、6月以降分も合わせて2026年4月15にいまでに提出する予定、などのスケジュールも示されています。

「賃上げをしたい(した)けれど、加算の算定手続きが追いつかない」という事業所が出ると効果が薄れるため、早めの準備が重要です。

利用者・家族への影響:自己負担が増える?増えない?

結論から言うと、「加算を算定する事業所を利用している」「自己負担割合が1~3割」の場合、利用料は原則として増える可能性があります。
ただし増え方は限定的になりやすいです。
理由は、今回の+2.03%の中心が “処遇改善加算” であり、加算は算定する事業所だけに乗るからです。

イメージをつかむために、単純化した例を出します。(実際はサービスシュルや加算の算定状況で前後します)

  • 介護サービス費(10割)が月20万円
  • 影響が仮に+2%相当だとすると、月4,000円(10割ベース)
  • 自己負担1割なら+400円。2割なら+800円、3割なら+1,200円程度

その一方で、施設の食事(基準費用額)は2026年8月に見直しが予定されており、施設入所中の方は “食事代の扱い” も確認ポイントになります。(低所得者への配慮措置あり)

介護現場・事業者への影響:チャンスと課題がセット

今回の臨時改定は、現場にとっては追い風になり得ます。
賃上げが実現すれば採用力・定着率の改善につながりやすいからです。
一方、次の課題も出ます。

  • 処遇改善の配分ルールをどう設計するか(職種間の納得感)
  • 生産性向上・協働化の要件を満たすための投資と運用
  • 計画書・実績報告など事務負担(軽減策も検討)

「賃上げだけして終わり」ではなく、働き方や業務設計(記録、連携、ICT活用)まで一緒に整えるかどうかで、加算の効果が変わります。

よくあるQ&A

Q1. 最大月1.9万円って、全員がもらえるの?
A. いいえ。「月1.0万円の賃上げを幅広く実現」+「取り組み事業所の護職員に上乗せ」+定期昇給込み」の “最大値” です。
事業所の算定状況と配分で変わります。

Q2. うちの家族の利用料は上がる?
A. 利用している事業所が処遇改善加算を算定するかどうかが大きいです。
算定していなければ影響は小さく、算定していれば負担割合に応じて増える可能性があります。

Q3. いつから変わるの?
A. 処遇改善に関わる治しは2026年6月施行、食費の基準費用額は2026年8月施行と整理されています。

まとめ:数字は本当。ただし「届かせる設計」が大事

2026年6月の臨時介護報酬改定は、改定率+2.03%で、その中心は処遇改善(+1.95%)。
介護従事全体に月1.0万円規模の賃上げを広げつつ、取り組み事業所の介護職員には上乗せを行い、最大で月1.9万円(定期昇給込み)を目指す、というのが制度の骨格です。

家族・利用者側は「利用している事業所が加算を取るか」「負担割合は何割か」「施設入所なら食費の扱い」を確認するのが第一歩。
事業者側は、計画書提出と要件整備を早めに進め、賃上げが “絵に描いた餅” にならない運用設計がカギになります。

介護は、誰か一人の頑張りで回るものではありません。
現場全体が続く形で処遇改善が届くかどうか。
2026年6月の改定は、その分岐点になりそうです。

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