「親の介護で疲労が蓄積して気怠さがでてきた。これって介護うつ?」
介護疲れによる不安を抱えている方、もしかしたらそれ“介護うつ”かもしれません。
介護うつは一般の疲労で起こる症状と似ているため、本人も周りの人も判断しにくいです。
また、気づかず放置していると症状は悪化し、取り返しのつかない状態になってしまいます。
最悪の事態を防ぐ為にも早期発見と早めの対策を行わなければなりません。
この記事では、介護うつの具体的な症状、原因や対策についてご紹介いたします。
もくじ
介護うつとは|介護のストレスで発症するうつ病
介護うつとは、介護の疲労やストレスによって発症する「うつ病」です。
身体的な負担や精神的ストレスが積み重なることで、介護うつは引き起こります。
実際に「介護うつ」という病名こそありませんが、うつ病と変わらないため治療や対策が必要とされています。
ただ、うつ病の中では改善できる可能性の高い部類といわれており、早期発見と早めの対策が効果的ですので、その原因や症状を詳しく知り「介護うつ」を予防しましょう。
介護うつの具体的な症状
介護うつが発症すると心身ともに様々な症状が現れます。
該当していないかチェックし、早期発見を心がけましょう。
- 食欲不振
- 睡眠障害
- 疲労感
- 不安感
- 憂鬱感
- やる気が湧かない
- 思い込みが激しい
- 情緒不安定
- 自殺願望
- 異常な気分の落ち込み
上記の症状が長い間続くと、介護うつの可能性が高まります。
とはいえ単純な「介護疲れ」と似ているため、本人も周りの人も症状に気が付きにくいのです。
介護うつの症状に該当している場合は早めに近くの病院へ相談してください。
介護うつになりやすい人の2つの特徴
介護うつになりやすい人の特徴1:責任感が強く頑張りすぎてしまう人
責任感が強く頑張りすぎてしまう人は介護うつになりやすいです。
仕事場や私生活でうまくいっていないのは“全部自分の責任だ”と思い込んでしまいがちで、自分への失望感やプレッシャーが積もりに積もって介護うつを引き起こすのです。
これは、完璧主義の人にも当てはまります。
そもそも介護を完璧に行える人なんていません。
うまくいかないのが当たり前で、失敗するのも仕方ないのです。
責任感が強い人は肩の力を少し抜いて取り組みましょう。
介護うつになりやすい人の特徴2:誰にも相談できずに一人で抱え込む人
誰にも相談できずに一人で抱え込む人は要注意です。
なぜなら一人で抱え込んでしまうと、悩みやストレスを発散できないからです。
介護をしていると悩みやストレスが溜まってしまうもの…
その蓄積したストレスが徐々に介護うつを引き起こしてしまうのです。
ストレスを溜めるのは仕方がないことで、大切なのはそのストレスとどう向き合っていくのか、という部分なのです。
一人で抱え込みがちの人は身の回りの人に相談しましょう。
介護うつを引き起こす3つの原因とは?
次に、介護うつを引き起こす主な原因を見ていきます。
- 身体的の負担
- 精神的のストレス
- 金銭的の不安
介護うつを引き起こす原因1:身体的の負担
介護うつは身体的な負担が原因で引き起こります。
排泄介助や入浴介助、移乗介助などの身体介護は体力をかなり消耗します。
体を酷使すると腰痛のリスクは高くなり、身体的の負担が大きくなるでしょう。
それら身体的の負担は介護うつを発症させる原因となるのです。
介護うつを引き起こす原因2:精神的のストレス
精神的なストレスは介護うつの原因となります。
介護はうまくいかないこと、つらくて大変なことの連続です。
はじめての介護なら不安な気持ちがなおさら大きいでしょう。
それら不安な気持ちが蓄積すると精神的なストレスになってしまい、介護うつの危険性が高まるのです。
介護うつを引き起こす原因3:金銭的の不安
金銭的な不安も介護うつの原因となります。
介護をするにあたっては、お金を使うことが多くなります。
貯金や手持ち資金が減っていく不安感から、ストレスに繋がるのです。
またご家族の介護をするために仕事を辞める人も中にはいるでしょう。
今までもらっていた給料がなくなった分、金銭的の不安がさらに大きくなってしまうのです。
介護うつを発症させない為の、3つの対策
最後に、介護うつを発症させない為の予防策についてご紹介します。
介護うつの対策方法を事前に知って、今日から適切な予防を始めましょう。
- 適度に休息を取る
- 身の回りの人に頼る
- 介護サービスを利用する
介護うつを発症させない為の予防策1:適度に休息を取る
介護うつを引き起こさないためには、適度な休息を取るのが大切です。
介護うつは過度なストレスや負担から引き起こります。
「疲れが溜まってきたかな」と感じたら休息を適度に取り、ストレスや疲労を取り除きましょう。
ストレスや疲労を減らすことで介護うつのリスクをかなり減らせるはずです。
介護うつを発症させない為の予防策2:身の回りの人に頼る
介護うつの対策として身の回りの人に頼ることが考えられます。
一人で介護疲れを溜め込んでしまうと発症リスクが高くなります。
ご家族や親戚、市区町村の自治体など、身の回りの人にできるだけ頼りましょう。
誰かに頼ることで一時的な休息を取れたり、介護疲れを軽減できたりします。
介護うつを引き起こさないためにも、身の回りの人に頼るのをおすすめします。
介護うつを発症させない為の予防策3:介護サービスを利用する
介護うつの対策3つ目は、介護サービスを利用することです。
■おすすめ介護サービス
- 訪問介護
- ショートステイ
- デイサービス
介護サービスを利用すれば毎日の介護から距離を取ることができます。
また介護の相談やアドバイスを受けられるため、介護の質が向上してストレスを感じづらくなるでしょう。
訪問介護やショートステイ、デイサービスなどがおすすめです。
自分に合った介護サービスを選択して介護うつを防ぎましょう。
介護うつの予防は今日から始めよう
今回は、介護うつの具体的な症状、原因や対策についてご紹介いたしました。
介護うつは介護疲れによるストレスで発症するうつ病で、その原因は身体的な負担や精神的ストレスが積み重なって引き起こされるものです。
特に責任感が強くついつい頑張りすぎてしまう人、誰にも相談できずに一人で抱え込む人に起こりやすい症状で、最悪の場合「介護放棄」といった問題に発展する可能性もあります。
該当していると感じる人は十分に注意すると共に、早期発見と早めの予防をしっかりと行い介護うつを未然に防ぎましょう。