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2021.01.08

65歳でも入居の難しい特別養護老人ホームとは?施設に入る条件や入居費用を解説

世の中には様々な種類の老人ホームがあります。
その人に適した老人ホームサービスはどれなのか、迷ってしまいますよね。
特別養護老人ホームだけでも数種類の施設があるため迷うのも仕方がありません。

そのためこの記事では、特別養護老人ホームの種類、入居費用と施設に入る条件について詳しく説明してまいります。

有料老人ホームについて知りたい人はこちらをチェックしてください。
→『民間企業が運営する有料老人ホームについて解説』

特別養護老人ホームとは?|地方自治体が運営

特別養護老人ホームとは、社会福祉法人や地方自治体が運営している施設のことです。

介護保険の給付対象であり、低費用で利用できるのがとても魅力的です。それも相まって、数ある介護施設の中で最も人気の施設といえます。

また、一度入居すると最期のときまで利用可能で、看取り介護にも対応しているのです。
ただし、特別養護老人ホームの入居にはある一定の条件があります。原則として、65歳以上で要介護3〜5の方を対象にしており、要介護度の高い方を優先します。
そのため入居待ちの方が非常に多く、入居申請をしてから約1年待機するケースもあるそうです。

特別養護老人ホームは3種類ある

  1. 「広域型」特別養護老人ホーム
  2. 「地域密着型」特別養護老人ホーム
  3. 「地域サポート型」特別養護老人ホーム

「広域型」特別養護老人ホーム

「広域型」特別養護老人ホームとは、定員が30人以上の最もメジャーな施設です。

医師や看護師、介護支援専門員などの人員配置基準が設けられており、施設側は基準を満たさなければなりません。
また、居住地域の制限がないため、どこに住んでいても入居申請ができます。
そのため地域とのつながりはあまりありませんが、場所を選ばないので「何はともあれ早く入居したい」という方におすすめの施設です。

「地域密着型」特別養護老人ホーム

「地域密着型」特別養護老人ホームとは、定員が30人未満の施設です。

地域密着型というだけあり、施設が所在している地域に住んでいなければ申し込めません。
そのため地域とのつながりを特に意識しており、地域行事やご家族との関係性を大切にされます。
また、「地域密着型」特別養護老人ホームはさらに2つの種類があります。

  1. サテライト型
  2. 単独型

サテライト型

サテライト型は別名、サテライト型居住施設とも呼ばれます。
定員が30人以上の特別養護老人ホームを本体施設としており、サテライト型はサブ的施設にあたります。サテライト型は、本体施設から20分以内の場所で運営しなければなりません。
また、本体施設と連携を取るということで、医師・栄養士などの人員配置基準が特別に緩和されています。

単独型

単独型は、通常の施設と同様に単独で運営している小規模な施設のことです。
利用者数が29名以下の施設形態なので、家庭に近い生活となります。
また、サテライト型と同様で人員配置基準が特別に緩和されています。

「地域サポート型」特別養護老人ホーム

「地域サポート型」特別養護老人ホームは、住宅で介護生活を送っている方に対し、生活援助員が訪問介護を行います。そのため、原則として在宅で介護を行っている方が対象です。
24時間・年中無休で介護を行い、巡回訪問により安否確認、看護師による医療業務など、見守りや援助がメインになります。
2013年に開始された新しい制度なので、2020年現在でも地域サポート型を運営している自治体は決して多くありません。

特別養護老人ホームの居室は2種類ある


特別養護老人ホームの居室は2種類あるのでそれぞれ説明します。

  1. 従来型
  2. ユニット型

従来型

従来型は昔ながらの居室構成になっており、病院のような廊下に対して各部屋が設置されています。
食堂・浴室・リビングなどの共用スペースは、基本的に多人数で利用します。
また、1つの部屋を2〜4人で利用する相部屋構造を従来型多床室と、1人1部屋の個室タイプを従来型個室の2種類あるのです。

ユニット型

ユニット型の居室では、10名前後と少人数のグループで生活を送ります。
利用者の食事や会話などは「共同生活室」という1部屋を中心に行われ、その部屋の周りに利用者の各部屋が配置されているのです。
また、居室の仕切りがカーテンなどで簡単に区切られているユニット型も中にはあります。
国の方針としては従来型の施設よりもユニット型を進めており、現在ある施設の約6割がユニット型なのです。
ユニット型は一般の住宅構造と似ているため、家庭の生活に近いといわれています。

特別養護老人ホームの入居費用

一般の老人ホームには、入居するときに発生する「入居一時金」と、1ヶ月ごとに費用を支払う「月額利用料」の2つがあります。
しかし、特別養護老人ホームでは、この入居一時金が一切かからない最大の特徴があるのです。

入居費用にかかるのは約20万円の月額利用料のみで、介護サービス費・居住費・食費・日常生活費が自己負担になります。
おむつの交換費用もかからないため、有料老人ホームなど他施設に比べて低費用の施設なのです。

また、介護保険も適用されるので自己負担額をさらに抑えられます。歯ブラシやティッシュなど、日常生活費は介護保険の対象外なので注意してください。

介護保険の負担額や上限についてはこちらから見れます。
→「介護保険制度と受けられる介護サービスを5分で解説」

特別養護老人ホームの施設に入る条件

特別養護老人ホームの入居条件は、基本的に要介護3〜5で65歳以上の方が対象です。また、伝染病に感染していないことも条件になります。

入居条件の例外もあり、重度の認知症や1人での生活が困難な方は、要介護1・2でも入居可能です。あるいは特定疾病の方の場合、40〜64歳でも入居ができます。
また、施設へ入居できる順番は施設によって異なります。
申し込んだ順に入居できる施設もあれば、緊急性の高い方から入居できるケースもあるのです。

待機人数や待期期間は施設のホームページ、または問い合わせページから確認できます。
入居を検討している際は早めの相談を心がけましょう。

有料老人ホームとの違い|民間企業が運営

有料老人ホームは、主に民間企業によって運営されています。「生活の充実と楽しさを提供する」ことを目的としており、高品質なサービスを提供する施設が多いでしょう。
また、施設によって利用目的や設備が様々なため、その人に合った適切な条件を選べます。さらに、特別養護老人ホームとは違い、すぐに入居可能な施設が多いのです。
とはいえ、入居のための入居一時金や月額利用料は、特別養護老人ホームに比べて数段高額に設定されています。
介護保険が適用できない施設や介護サービスを行わない施設も中にはあるので、事前に確認してから入居を検討してください。

有料老人ホームについてもっと知りたい方はこちらを参考にしてください。
→「有料老人ホームの種類と入居費用を徹底解説」

まとめ|その人に合った施設選びを行おう


今回は、特別養護老人ホームの種類、入居費用と施設に入る条件について触れてきました。
特別養護老人ホームとは、社会福祉法人や地方自治体が運営している施設であり、介護保険を適用できるのが魅力です。
「広域型」「地域密着型」「地域サポート型」の3種類があり、居室には「従来型」と「ユニット型」と細かく分類されています。
入居費用は他施設に比べて非常に格安となっていますが、入居条件が厳しいため待機期間を要する場合もあるでしょう。

老人ホームは特別養護老人ホームの他にも、有料老人ホーム・グループホームなど、利用者に合わせた様々な施設があります。
一度入居すると再入居が難しい場合もあるので、焦らずその人にあった適切な施設選びを行いましょう。
特別養護老人ホームの知識を深めるためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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