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2020.12.28

介護職における「3K」とは | 3Kの改善策や介護職の在り方を解説

今回は、介護における「3K」について紹介したいと思います。

3Kとは、「きつい」「汚い」「危険」の3つを指します。
介護職を目指す方の中でも、この3Kを不安視している方も多いと思います。

実際に、介護現場では3Kを少なからず感じてしまうのが現状です。
それどころか最近では5K・8Kなどといわれており、世間からのイメージはかなり悪化しています。

この記事では、現場で起こる具体的な3K、介護職で働く方はどう在るべきかについて紹介していきます。
この先、3Kがどのように改善されるのか。介護職に対して前向きになれるよう参考になれば幸いです。

介護職の3Kとはきつい・汚い・危険

介護職の3Kとは、きつい・汚い・危険』の頭文字をとったものです。
多くの方が思っている通り、実際の介護現場に3Kは存在しています。
3Kのイメージがついてしまった原因として、度合いは施設によって異なりますが、排泄介助や入浴介助などを行うことが現実としてあるからです。

介護職の5Kと8Kの問題

介護職は3kが存在するため就職を懸念される人が多いです。
しかも最近ではこの『きつい・汚い・危険』に加えて、『給与が低い・臭い』が合わさった5kともいわれています。
さらには『休暇が取れない・暗い・婚期が遅れる』の8Kといわれるケースもあるようで、介護職のイメージが悪化してしまっています。
メディアやSNS等で度々非難されてしまう介護職ですが、実際の現場はどうなのでしょうか?
介護現場の3Kを具体的に知り、実際の介護職をより明確にイメージするところから始めてみてください。

介護職の現場で起こる具体的な3K

(1)現場のきつい

テレビの報道では、利用者と楽しくおしゃべりしている明るい介護職を紹介しがちです。
しかし、介護職の現場ではきついと感じる場面が多々あります。
主な理由は、みなさんが思っている以上に身体を使う仕事が多いからです。

例えば、身体の不自由な利用者が倒れそうになった場合、自分の身体に負担をかけてでも支えなければなりません。
また、車椅子からベッドに移動させる移乗介助では、自分より背丈の高い男性利用者を移乗させる場合があります。
その大変な移乗介助は1回ならまだしも、忙しい施設だと何回も連続で行います。
このように、介護現場では排泄介助や移乗介助など腰を使う仕事が多く、みなさんが思っている以上にきついと感じています。

(2)現場の汚い

介護職の現場では、どうしても汚いと感じてしまう場面があります。
便や尿を扱う排泄介助を日常的にするためです。

介護職は利用者の生活支援をする仕事なので、便や尿など排泄の介助も行います。
その排泄介助はトイレで行うだけでなく、ベッド上でおむつ交換を行う場合もあります。
ベッド上の排泄介助では、おむつ交換をうまく行えずベッド上に便をこぼしてしまう、そんなことも度々あるのです。
また、中には自身の便を壁に塗りたくる便いじりを行う利用者もいます。
介護職では便や尿を扱う排泄介助を行うため、汚いと感じてしまう場面があるのです。

(3)現場の危険

介護職の現場では、利用者と介護職員の危険となる場面があります。
利用者は身体が弱く、感染症などの病気にかかりやすいからです。
利用者はご高齢の方が多いため体調を崩しやすいです。

また、感染症にかかるリスクも高く、職員に感染症がうつるケースもあります。
インフルエンザの集団感染など、たまにニュースで目にすることもあると思います。
また、利用者は歩行をする際、フラつきや転倒をしてしまうことがあります。
職員がその転倒を防ごうとした際、かえって自分の体を痛めてしまう事故も起こり得るのです。
そのため、介護職の現場では自分だけでなく、利用者の危険となる場面が数多くあります。

介護職の3Kが起こりやすい施設の特徴

次に、3Kが起こりやすい施設の特徴を見ていきましょう。

もちろん、すべての施設で3Kが起こっているわけではありません。3Kを減らすよう努力している施設も多数存在しています。
一方、様々な原因で3Kの起こりやすい施設があるのも事実です。
3Kについて施設がどう向き合っているかを知る為にも、これから紹介する施設の特徴を参考にしてください。

特徴1.人手不足の施設

人手不足の施設は、3Kの起こりやすい施設です。なぜなら、人手が足りない分、介助の質が下がるためです。
介護現場ではスムーズな仕事をするため、一定数の人手を必要とします。
利用者の付き添いや細かいお手伝いをするからです。
しかし、人手の足りない施設だと、それら細かい業務を十分にこなすことができません。
どうにかこなすため、介助の質を下げて量を優先するのです。
介助の質を下げると、便や尿が床にこびり付いたまま放置される、利用者を放置して怪我をさせてしまうなど、3Kの原因を引き起こしてしまいます。

そのため、人手不足の施設は3Kの起こりやすい施設だといえるでしょう。

特徴2.職員の人間関係が悪い

職員の人間関係が悪いと、3kが起こりやすくなります。

なぜ人間関係と3Kがつながるのでしょうか?
それは、介助の質を上げるためには、職員の連携が必要不可欠となるからです。
先ほどお話したとおり、介助の質と3Kには関係性が少なからずあります。
その介助の質の根本は、職員の連携によって成り立っているのです。
どんなにベテランな職員でも、すべての介助を1人で行うことはできません。

そのため、限られた人数で連携を取り合い介助の質を高めています。

連携をうまく取れれば、それだけ質の高い介助ができてスムーズな仕事へつながります。
しかし、逆をいうと職員同士の仲が悪いと連携は取れず、介助の質は悪化してしまうでしょう。
介助の質を上げて3Kを起こりづらくするためにも、職員の人間関係は重要となります。
その人間関係が悪い施設は3Kを起こしやすいといえるでしょう。

3Kのある介護職に就く3つのメリット

メリット1.人間性が成長する

介護職を通して、自分自身の人間性を大きく成長させることができます。
利用者とのコミュニケーションを通して、学べることが非常に多いからです。
ここでの人間性とは、人間らしさや人の優しさを指します。
介護施設の利用者は、様々な経験をしている人生の大先輩です。
その大先輩との貴重な会話やコミュニケーションを通して、たくさんの学びを得られます

例えば、他者への気遣いや相手への思いやりなどの人間性です。
人間性は生きていく上で必ず役立つスキルだといえます。
人間は一生を通して、コミュニケーションを必要とするからです。
その人間性を大きく成長させられるのは、介護職の最大のメリットといえるでしょう。

メリット2.自己肯定感が高まる

介護職をすることで、自己肯定感が高まります
なぜ介護職をすると自己肯定感が高まるのでしょうか?
それは、利用者から感謝される機会が多いためです。
自分が一生懸命に介助をすると、利用者にその思いは伝わります。
その思いを感じ取った利用者から「ありがとう」「いつもありがとうね」と、感謝の言葉をいただけます
自分の頑張りが感謝の言葉で報われるため、自己肯定感が高まるのです。
自己肯定感が高まると自信が生まれるだけでなく、人生の満足度も高まるでしょう。

メリット3.将来性がある

介護職には将来性が期待できます
なぜなら、今後さらに高齢化社会が加速するからです。
日本は1970年に高齢化社会になり、その後も加速して2007年には超高齢社会へと突入しました。
そして、2025年には約30%、2060年には約40%が65歳以上の高齢者になるといわれています。

参照:日本の超高齢化社会の特徴|健康長寿ネット

今後も高齢者が増え続けていく日本では、介護職という仕事がなくなることはありません
むしろ、介護技術を身につければ引っ張りだこになるほどで、需要は高まり続けるでしょう。
今のうちに介護技術を身につけることで、今後の職場選びに有利になれるはずです。
そのため、今後の高齢化社会を考えると、介護職は将来性のある仕事だといえるでしょう。

介護職に向いている人の特徴

特徴1.人と関わるのが好きな人

介護職は、人と関わるのが好きな人に向いているといえます。
なぜなら、人と密接的に関わり続ける仕事だからです。

介護職は複数の利用者と密接的に関わりながら、生活の支援に取り組みます。
例えば、利用者の悩みに寄り添ったり、生活に不安はないか相談をしたりなど、さまざまな方向から人と関わることができるのです。
また、利用者だけではなく、職員同士や利用者のご家族とも関わりを持ちます。
人との会話や関わりを好むのであれば、介護職は天職といえるかもしれません。

特徴2.誰かの役に立ちたい人

介護職は人の役に立っていると感じる場面が多いため、誰かの役に立ちたい人に向いています

職員からの支援を必要とする利用者は多いので、人助けをする機会が無数にあります。
トイレへ向かうための付き添い、暇をつぶすための話し相手など、小さなことですが施設内には人助けが溢れているのです。
その人助けを通して充実感・やりがいを感じられるので、人の役に立ちたい人に介護職は向いているといえます。

介護職の3K問題は今後なくなるのか?

介護職の3K問題は今後なくなるのか、について見ていきましょう。
結論、完全になくなりはしませんが確実に減っていくはずです。

その根拠は腰痛を減らすための介護ロボットや、作業効率を高める情報通信技術などの導入が検討されているからです。
現状の介護業界は人手が足りていません。
そしてさらに、今後は人手不足が加速し続けるでしょう。
そうなれば職員の負担が増えて、3k問題も深刻になると予想されています。

そのため、介護業界全体では、職員1人ひとりの負担を減らすための取り組みが検討されているのです。
例えば、移乗介助の負担を減らす筋力補助スーツの開発や、パワーアシストスーツがあります。

また、通信技術と人をつなげるICTという情報通信技術。
ICTによりいままで行っていた伝達業務を効率化することで、職員の負担を減らすことができます。
さらに、センサーによる見守り機能の向上によって、職員が見守りをする労力を削減できるともいわれています。
世の中の最新技術を取り入れて、職員の負担を減らすことにより3Kを減らすことができるでしょう。

参照:ICT機器・ソフトウェア導入に関する手引き|厚生労働省

多くの方が懸念される介護職の給料問題については、このように明記されています。
2019年10月から経験・技能のある介護職員において「月額8万円」の改善、または「全産業平均水準・年収440万円」を設定するなど、政府が改善の処置を行っております。
その公費は1000億円ほど行われており、介護業界の給料問題についても徐々に改善されていく見込みです。
現時点で介護職に悪いイメージを持っている方は、ぜひ参考にしてください。

【まとめ】悪い3kではなく良い3kへ変えよう

ここまで、現場で起こる具体的な3K、介護職の在り方についてお話しました。

利用者の生活を支援する中で、少なからず3Kを感じてしまいます。
しかし、介護職を通して人間性の成長、自己肯定感を感じることができるのです。

これから高齢化社会はさらに加速していき、職員1人ひとりの負担が大きくなると予想されています。
ですが、それにともない政府から改善するための施策が打ち出されています。
これからの介護職に就いている方、介護職を目指している方は、「きれい・健康・感謝」の良い3Kを目指していけるよう取り組んでいきましょう。

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