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2021.01.05

みんなで支える介護保険制度とはどんなもの?仕組みや対象者・受けられるサービス内容などを解説

「介護保険」というのは、初めての方はもちろん、介護経験者でさえ仕組みを理解するのに時間を要する複雑な制度です。

また、その理解が浅いために費用のすべてが自己負担になるなど、取り返しのつかないケースが後を絶たなくなっています。

そのため今回は、介護保険を利用するときに迷わないために介護保険の仕組み・介護保険の対象者・サービス内容などについて徹底解説してまいります。

介護保険制度とは?要介護者に費用を給付してくれる保険


介護保険とは、介護が必要な方に費用を給付してくれる保険のことです。

国や市区町村が介護にかかる費用を、最大で9割負担してくれます。現在では約600万人以上が介護保険を利用しており、お住まいの市区町村が運営しています。

介護保険のサービスを受けるには手続きと認定証が必要で、介護保険が対象ではない介護サービスも中にはあるので利用する際は注意してください。

ちなみに、介護保険が施行されたのは2000年4月からです。「高齢者が住み慣れた家庭で自分らしく生活できる」ために作り出されたのがこの制度。
2000年に施行されて以降、合計5回の法改正が行われて現在に至ります。

参照:介護保険制度|厚生労働省

介護保険を上手に利用するためにも、介護保険の仕組みや内容を深く理解しましょう。

介護保険の仕組み|みんなで支え合う保険

介護保険は「みんなで保険料を出し合い支え合う保険」です。
保険料は被保険者だけでなく、国・都道府県・市区町村で負担をしています。国民は40歳になると支払いが義務付けられ、保険料を支払わなければなりません。
支払う保険料は各健康保険組合によって異なり、健康保険料と一緒に徴収されます。
協会けんぽや職場の健康保険に加入していると、給与に介護保険料率をかけて算出され、事業主が半分負担する仕組みです。

一方、被扶養配偶者に関しては、医療保険と同じように収めなくて良いとされています。
このように、介護保険料は被保険者(国民)が収めていますが、徴収率は全体の50%なのです。残りの徴収分は国が25%・都道府県が12.5%・市区町村が12.5%となっています。
みんなで保険料を出し合っているため、介護保険は社会全体で支え合う保険といえるでしょう。

介護保険の支払い対象者|40歳以上の国民

保険料の支払い対象者は40歳以上の国民となっており、年齢によって2つの区分に分類されています。
「第1号被保険者」という区分は65歳以上の方が対象で、「第2号被保険者」は40〜64歳の方が対象となります。いずれの区分も介護料の支払いが必要です。

第1号被保険者の介護保険料は独立して市町村から請求され、年金を年額18万円以上受け取っている場合、その年金から天引きされるのが一般的となっています。
また、徴収される金額は所得の多さや、生活保護の受給金額によって自治体が9段階の判断を下します。

第2号被保険者のケースでは、会社員は健康保険料と一緒に介護保険料が給料から差し引かれます。健康保険に加入していない方については、国民健康保険料に上乗せされる仕組みです。
社会保険加入者の徴収される金額は、給与に介護保険料率をかけた金額で各健康保険組合によって決定されます。
一方、国民健康保険加入者の場合、所得割・資産割・均等割・平等割の4項目を組み合わせた算出金額から決定されるのです。
ちなみに、所得割は前年度の所得が反映されます。

介護保険のサービス対象者|原則65歳以上の高齢者

介護保険のサービス対象者は、65歳以上の前期高齢者に限ります。
介護サービスを使用するには「介護保険被保険者証」が必要となり、65歳になると近くの市区町村から自動で発行されるので安心です。
一方、40歳〜64歳の場合は国が認めている特定疫病の疾患者に限り、介護サービスを受けることができます。介護保険被保険者証の発行については、市区町村の役所から申請する必要があります。

✔国が指定している特定疫病16種

  • 初老期における認知症
  • 脳血管疾患
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • パーキンソン病関連疾患
  • 脊髄小脳変性症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病の合併症
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 変形性関節症
  • 関節リウマチ
  • 後縦靱帯骨化症
  • 脊柱管狭窄症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 早老症
  • ガン末期

参照:特定疾病の選定基準の考え方|厚生労働省

介護保険を利用するには要介護認定証が必要

いずれも、介護被保険者保険証だけでは介護保険のサービスを受けることはできません。
介護保険のサービスを受けるためには、「要支援」、または「要介護認定証」が必要となります。

要介護認定証とは、本人の身体状態や症状を確認して介護の度合いを検査した証明書のことで、市区町村の介護保険担当窓口から申請が可能となります。申請後は本人や家族への聞き取り調査が行われ、調査から結果がでるまでは約1ヶ月間かかります。
要介護認定証をもらった後は、要支援なら地域包括センター、要介護ならケアマネジャーに相談するのが無難です。

ちなみに、要介護度は要支援1〜2、要介護1〜5の7段階に分類されています。要支援1が介護度の低い状態で、要介護5が最も介護を必要する状態のことです。
こちらで要介護度のシミュレーションを行えるので、気になる方はチェックしてみてください。

まとめると、介護保険サービスを受けるには要支援、要介護認定証が必要となり、原則65歳以上の高齢者でなければなりません。
とはいえ、国が認めている特定疫病の疾患者であれば、40歳からでも介護保険サービスを受けることができます。

介護保険適用時の負担額|収入に合わせて1〜3割


介護保険適用時は、収入に合わせて1〜3割の自己負担が必要となり、単身者と夫婦世帯の場合で負担額の条件が異なります。

単身者の場合、年金収入など280万円未満(合計所得金額160万未満)で1割の自己負担。
年金収入など280万以上(合計所得金額160万以上)で2割、年金収入など340万以上(合計所得金額220万以上)で3割の自己負担となります。
夫婦世帯のケースだと、年金収入等が326万円以上で2割、463万円以上で3割の自己負担となります。

参照:介護保険の負担割合|厚生労働省

ちなみに2000年の介護保険を施行したときは1割均一でした。
しかし、2015年の法改正で高所得者は2割の負担額となり、2018年の法改正ではさらに高所得者に限り3割の負担額となったのです。

介護保険の支給限度額

介護保険を使えば、すべての介護費用を負担してくれると思われがちですが、介護保険には支給限度額の設定があるので注意してください。

設定条件は要介護度によって異なり、限度額を超えた場合は10割負担となります。
また、施設系サービスを使用する際の食事などは自己負担となるので覚えておきましょう。介護保険の細かい適用額は、ケアマネジャーに相談して決めるのをおすすめします。

✔支給限度額

  • 要支援1:50,030円
  • 要支援2:104,730円
  • 要介護1:166,920円
  • 要介護2:196,160円
  • 要介護3:269,310円
  • 要介護4:308,060円
  • 要介護5:360,650円

参照:区分支給限度基準額について|厚生労働省

介護保険で受けられるサービス一覧

最後に介護保険で受けられるサービスをご紹介します。
一部の施設やサービスは介護保険の対象外ですので注意してください。

住宅サービス

介護保険は「高齢者が住み慣れた家庭で自分らしく生活できるよう作り出された保険」なので、住宅サービスは豊富となっております。

  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 生活援助・身体介助
  • 福祉用具のレンタルサービス

上記のサービスなどを保険適用できます。
また、住宅で生活をしながら時折施設へお世話になるサービスもあり、使い分けて生活の幅を広げることができます。家族の負担を減らす良い機会になるので覚えておきましょう。

  • 通所介護
  • ショートステイ

地域密着型サービス

地域密着型サービスという機関もあります。介護保険のサービスを受けられるのは以下の3つ。

  • 特定施設入居者生活介護
  • グループホーム
  • 小規模多機能型居宅介護

グループホームでは地域社会に溶け込めるよう配慮されており、「集団生活型介護」ともいわれております。

施設に入る

家族が忙しく、住宅生活を送るのが困難なケースもあるでしょう。その場合は施設に入居してもらうのも1つの手です。
介護保険の適用施設は基本的に下記の施設になります。(介護付き有料老人ホームなども対象)

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設

施設によっては適用額が異なりますので、入居する前に施設へ確認をとりましょう。

まとめ:将来を見越して早めに介護サービスを検討しよう

今回は、介護保険で受けられるサービスについて詳しく解説してきました。

介護保険は40歳から支払う義務があり、適用するには要介護認定証などの条件があります。
また、利用できるサービスは限られているため、全額自己負担にならないためにも事前の確認はしておきましょう。

「介護保険なんて自分にはまだまだ関係ない」

そう思っている方もいつかは必要になるもの。必要になってからだと焦ってしまったり余裕がなかったりなど、スムーズな手続きは難しいでしょう。
そうならないためにも早めの相談をおすすめします。簡単にできますので、今からでも相談してみてはいかがでしょうか?

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