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2021.01.14

排泄介助はどのように行う?方法や種類・トイレ誘導で注意すべき点などを解説

排泄介助とは、排泄行為が難しい方のために最低限の手伝いをすることです。
介護においては「最低限の手伝い」がとても重要で、そんな“介護の本質”を間違って理解している方は意外にも多くいらっしゃいます。

初めて介護する方は、排泄介助とはどういうものなのか分からず不安に感じてしまいますよね。
でも排泄介助の注意点やコツをしっかり学べば、楽しく取り組むことができるはずですので、今回は排泄介助の種類と方法、手順や注意点について説明してまいります。

排泄介助とは|1人で難しい場合のみ排泄を手伝う


はじめに排泄介助の基本について説明します。
排泄介助とは、排泄行為が難しい方のために最低限の手伝いをすることです。

ご自身ができることはやっていただき、できないことがあれば介助を行います。
注意していただきたいのが、できることまで手伝ってしまうと身体機能の低下や、認知症の悪化などにつながってしまうことです。

排泄介助はその人に合った適切なやり方をする必要があり、トイレまでの誘導や着衣脱衣、おむつ交換、排泄の手伝いなど様々です。
また排泄というのは誰しも行いますが、人に見られたくない非常にデリケートな行為です。見られるのは恥ずかしい行為だと理解した上で、排泄の手伝いを行いましょう。

排泄介助に必要な物

排泄介助を行う際には事前準備が必要です。しっかりと用意してから排泄介助に取り掛かりましょう。
また、人によっては特別なものが必要になるケースもあるので、その場合は追加で準備しましょう。

  • 使い捨て手袋
  • トイレットペーパー
  • 陰部洗浄ボトル
  • 陰部清拭用ペーパー
  • 包み紙(新聞紙など)
  • 包む袋(レジ袋など)
  • おむつやパッド

上記の物が揃っていれば排泄介助を適切に行えるはずです。

排泄介助の選び方と3つの種類


排泄介助には大きく分けて3種類あり、その人に合わせた適切なやり方を模索しましょう。

  1. 備え付けトイレ
  2. ポータブルトイレ
  3. おむつ

備え付けトイレ

トイレまで移動できる、もしくは座位を保てる方は備え付けトイレで排泄を行うべきです。

他の方法に比べると手間と時間がかかります。しかし足腰を鍛えられたり、認知症予防になったりするなど、身体機能の低下を防げるのです。
トイレに向かうまでの歩行はご高齢者にとって良い運動になります。また、トイレで行う一連の動作には脳神経にほどよい刺激を与えてくれます。
身体機能の低下を防ぐためにも、できるだけ備え付けトイレで排泄を行いましょう。

ちなみにご高齢の方には、座るだけでも負担を与える和式よりも洋式のほうが好ましいです。
備え付けトイレの横に手すりなどがあれば、安全性を確保できるので良いとされます。

ポータブルトイレ

ポータブルトイレは、持ち運びができる小型トイレのことです。

寝室や居間にも置けるメリットがあるので、備え付けトイレへ移動するのが難しい方に向いています。すぐに排泄を行いたいときにも役立つアイテムです。

日中は一般トイレを使用し、夜中のみポータブルトイレを使うといった方法もあります。
暗闇での転倒事故を防げるメリットもあるので、ポータブルトイレを使用している方は多いです。

おむつ

おむつを用いることで、移動しなくても常時排泄を行えます。座位を保てない方、排泄の意識がない方にはおむつがおすすめです。

おむつを用いるメリットは排泄行為にかかる負担を減らせることです。
また、おむつでの排泄介助は移動する手間がないため、多くの介助者にとっては楽だと感じるでしょう。
しかし、おむつに依存してしまうと身体機能の低下につながる恐れもあるので、できるかぎり排泄行為はトイレで行うべきです。

おむつの素材は紙か布の2種類から選択できます。形状に関してはテープで止めるものとパンツ型があります。

排泄介助のやり方|種類ごとの手順とトイレ誘導

排泄介助のやり方は排泄の種類によって大きく異なります。

  1. トイレで行う場合
  2. ポータブルトイレで行う場合

トイレで行う場合

トイレへ誘導するだけでもご高齢者は体力を非常に使うため、転倒や打撲などに注意する必要があります。

(1)排泄意思を伺い、トイレまでゆっくりと誘導します。歩行中に転倒しないよう注意しましょう。
(2)トイレに到着したら必要に応じて脱衣介助を行います。ここでも転倒のリスクがあるため、手の届く距離で見守りをしましょう。
(3)便座にいきおいよく座ってしまうとケガの原因になります。安全に座れるまでしっかり手伝います。
(4)排泄中は非常に羞恥心を感じやすいため、プライバシーに気を使いましょう。排泄が終わるまで外で待ち、再度入室する際はしっかりと声を掛けてください。
(5)陰部を拭く清拭ができない場合にかぎり、素早く介助します。尿や便で健康状態を把握できるためしっかりチェックしましょう。
(6)立ち上がりや着衣の介助を行います。このとき排泄行為の影響で血圧が上昇している場合があるため、十分に注意してください。
(7)排泄が終わったことへの喜びを共有して、排泄行為への抵抗感を減らしましょう。

ポータブルトイレで行う場合

ベッドからポータブルトイレへ移る手順で解説します。歩行で体力を使わない分、備え付けトイレに比べるとリスクは少ないでしょう。

(1)ベッドから移る際は必要ならば上体を起こしましょう。その後ポータブルトイレへ移乗介助をします。
(2)ポータブルトイレの蓋を開けて脱衣介助を行ったあと、便座に腰掛けてもらいます。このとき注意すべきは備え付けトイレとは違い、手すりやサイドバーがないことです。
(3)排泄行為が終わるまで近くで待機し、終わったかどうかの確認をします。プライバシーに配慮するため、向かう際には必ず声を掛けてください。
(4)備え付けトイレ同様、可能であれば清拭や着衣をご自身で行ってもらいます。できないことだけ介助するようにしてください。
(5)ベッドに戻ったあとは一緒に喜びを分かち合いましょう。その後、ポータブルトイレを掃除します。

排泄介助を行う際の注意点!

では、排泄介助を行う際の注意点について説明いたします。
排泄を見られるのはとても恥ずかしいことです。その考えを念頭に置きつつ、排泄介助に取り組んでください。

  1. 尊厳を傷つけない
  2. できるだけご自身で行う
  3. 水分補給は十分にする

尊厳を傷つけない

排泄介助を行う際は、相手の尊厳を傷つけない工夫をしましょう。

排泄行為を人に見られるのはとても恥ずかしいことだからです。
今までご自身で行っていた排泄行為に対して、誰かの手を借りるというのは羞恥心を非常に感じるでしょう。
ましてや便を漏らしてしまう失禁をした場合、本人の自信を失いかねません。
排泄行為を見られるのは、それほどにデリケートだと自覚しましょう。

尊厳を傷つけないためには、目線のやり場に気をつける、声掛けを徹底して行うなどが考えられます。

できるだけご自身で行う

本人が大変そうにしていると、ついつい手伝ってしまいがちです。
しかし、できるだけご自身の力のみで行ってもらいましょう。

本人のできることを手伝ってしまうと身体機能の低下につながるためです。
排泄をする一連の動作では本人の頭や足腰を使っており、健康を維持するための良いトレーニングになっています。
トレーニングとなるその機会を奪ってしまうと、今までの排泄ができなくなったり認知症の悪化につながったりと、様々な悪循環になりかねません。
介護はあくまで自立支援だと念頭に置いて、相手に適切な介助を行いましょう。

水分補給は十分にする

トイレに行く回数が増えるからといって水分制限をする人がまれにいます。
水分を取ることで脱水症予防や便秘改善につながるため、水分補給は絶対に怠ってはいけません。
ご高齢になると水分を蓄える能力が低下し、脱水症状や便秘になりやすくなります。
毎日十分な水分をとらないと脳梗塞のリスクも高まるので、水分補給をしっかり行いましょう。
介護される方がトイレに行きたいときは、嫌な顔をせず付き添ってあげてください。

まとめ|その人に合った排泄方法を模索しよう

ここまで、排泄介助の種類や注意点についてご紹介してまいりました。

排泄介助とは1人で排泄するのが難しい方の手伝いをすることです。
しかし、できることまで手伝ってしまうと身体機能の低下につながってしまうので、最低限の介助を心がけましょう。

また、排泄行為はとても恥ずかしいことなので、介助される方への配慮を忘れずに行うことが重要です。

排泄方法にはトイレ、ポータブルトイレ、おむつの3種類があるので、その人に合った最適な方法を模索してみてください。

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